面接で「自分を動物に例えると?」と聞かれたらどう答える?“動物博士”アンタッチャブル柴田英嗣が解説します

面接で「あなたを動物に例えると?」と質問されることがあります。どんな動物を、どういう観点で選べばいいのか、そしてなんと説明すればいいのか、悩みますよね。

そこで、「お笑い界の動物博士」アンタッチャブルの柴田英嗣さんに、学生が選びがちな動物の性格と「オススメの動物」を伺いました。

犬、猫、ウサギ…多くの人が選びがちな動物の「性格」とは?

アンタッチャブル柴田英嗣さん_インタビューカット

面接で「あなたを動物に例えると何ですか?」と聞かれた場合、身近な動物や、いいイメージのある動物を選ぶ人が多いようですが、「実際の性格は全然違う」というケースもあるようです。

柴田さんは幼いころから動物が好きで、犬や猫、スローリス(サルの仲間)までも飼ったご経験もあるのだとか。まずは、「動物に例えると?」の質問で選ばれがちな動物5種類について、柴田さんに「本当(!?)の性格」を教えていただきました。

アンタッチャブル・柴田英嗣さん_プロフィールカットプロフィール 柴田英嗣(しばた・ひでつぐ)お笑いコンビ、アンタッチャブルのツッコミ担当。1994年にコンビ結成。爆笑オンエアバトル第6代チャンピオン、2004年M-1グランプリ王者。数多くのバラエティー番組のレギュラー出演や映画の吹き替えも担当する。「動物好き芸人」としても知られている。芸能界随一と言われる知識を生かし、『アンタッチャブル柴田英嗣の日本一やかましい動物図鑑』を発売。動物検定3級(動物雑学)を持ち、趣味は動物園巡り(好きな動物はカバ)。

代表例1. 犬

人懐っこいイメージがあるかもしれませんが、どちらかというと体育会系な生き物。主従関係がしっかりしていて、飼い主に忠誠心を示します。なので、「会社に忠誠を誓い、やるべきことに力を尽くすタイプ」などのアピールならばピッタリです。
「犬って誰に対してもしっぽを振って駆け寄るから、人懐っこいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、飼い主以外には基本的に「上から目線」。駆け寄ってきても「おいお前、遊ぼうぜ」というスタンスなんです。

代表例2. 猫

猫もかわいいという理由で選ぶ人が多そうですが、動物の知識を持っている人ならばあまりいい印象は持ちませんね。
ネコ科の動物は、ライオン以外はほとんど群れを成さず、基本的には単独行動。唯我独尊で協調性がないので、組織には適さないタイプです。気まぐれでわがまま、名前を呼んでも来ない部下なんてイヤでしょう?家猫ならば家族に懐くので、どうしても猫を挙げたいならば「しつけが進んでいる家猫です」ならばアリかもしれません。その後の理由説明が難しいとは思いますけれどね。

代表例3. ライオン

「百獣の王」と言われるけれど、実は動物界では弱い方。ほかの大型動物に殺されることも少なくありません。しかも、オスは1日20時間ぐらい寝ていて、基本的には何もしない。メスが捕ってきたエサを誰よりも先に食べてしまう亭主関白です。
面接でライオンを挙げたいのであれば、断然メスがいいですね。家族を大事にするし、オスのために狩りもします。そして、ボスであるオスライオンが変わると、新しいボスへの乗り換えも早いです。何が起こっても上司についていくという姿勢も、メスライオンから感じ取ることができます

代表例4. ゾウ

大きいけれど優しい、温和というイメージがあるかもしれませんが、凶暴な一面もあるゾウ。イメージが統一されていないので、「自分を動物に例えると、ゾウ」と言われてもピンとくる面接担当者はあまりいないのでは?
ゾウが秀でているのは、察知能力。鼻を高く上げれば、どの動物よりも高い位置でにおいをかぐことができ、どこにエサ場があるのか、どの辺りに仲間や敵がいるのか、察知することができます。また、ゾウの足の裏は非常に繊細で、遠くのちょっとした振動も捉えることができるため、危険予知・危険回避力にも優れています。「察知能力が高く、『こうすれば相手が喜ぶかな』と思ってやったことはだいたい褒められる」などと言うと、いい印象を持たれるかもしれませんね。

代表例5. ウサギ

かわいいイメージがあるから選ぶ人が多そうですけれど、ウサギって一年中発情していて生殖能力がむちゃくちゃ発達しているんですよね。まあこの話は置いといて…。
ウサギは生き残るための能力がすごく発達しています。主な天敵は蛇やキツネ、猛禽(もうきん)類ですが、草木の中に隠れられるよう、地面にぺったり体が付けられるように進化したと言われています。そして、もしワシなどの猛禽類に背中をつかまれたら、背中の皮をベロンとむいて逃げることもあります。そのため、「困難な局面でも身をなげうって周りをかばい、物事を進めることができる」などのアピールはできるかもしれません。

「アピールしたい性格」別・ベストな動物はこれだ!

続いて、アピールしたい性格別にピッタリな動物を解説していただきました。動物に詳しい柴田さんだからこそわかる、マニアックな動物も多数紹介。気になる動物がいたら、調べてみましょう。

責任感をアピールしたいなら:ミーアキャット

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_ミーアキャット

ミーアキャットは群れで岩穴の中に暮らしますが、生まれながらにして役割が決まっているのが特徴。生殖行為をして子どもを産む役割、その子どもを育てる役割、エサを捕る役割、外で立って外敵が来ないか見張る役割などに分かれていて、生涯その役割を全うするんです。すごいでしょ?
それぞれが役割を離れて勝手なことをすると絶滅しちゃうから、自分の役割に責任を持たざるを得ないんですよね。一つのことを最後までやり遂げる、役割意識を持って全力で臨むなど、アピールにつなげやすい動物だと思います。

真面目さをアピールしたいなら:ハイエナ

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_ハイエナ

真面目と言えば、もう圧倒的にハイエナ!僕が大好きな動物です。
ずる賢いというイメージがあるかもしれませんが、陸上においては狩り成功率トップ3に入る名ハンターで、全部が自給自足。ライオンのように、ほかの動物が捕った獲物を横取りしたりしません。
そして、ときに自分の獲物をライオンに取られてしまうのですが、横で食べ終わるまで待っているんです。そして、ほとんど肉が残っていない状態の「食べ残し」を骨ごとバリバリ食べ尽くしてくれる。ハイエナが後をきれいにしてくれるから、土壌が腐らず、草木が育って草食動物が来て、それを肉食動物が捕まえて…という循環ができているんです。
そして何より、家族思い!捕ってきた獲物は、まず年長者が食べて、次に子ども、お母さん、そして最後に自分(お父さん)が残り物を食べるんです。なんか残業して深夜に帰ってきたお父さんが、家族の残り物をチンして食べるみたいでジンとくるでしょ?
ちなみに、ハイエナは長距離走が得意。延々獲物を追い続ける体力もあります。どこまでも追い掛けられる…まるで真っすぐ夢を追い掛けるみたいに!素晴らしい!やっぱりハイエナ大好き!

向上心をアピールしたいなら:ラクダ

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_ラクダ

ラクダの進化のすごさは語り尽くせないほど!背中にあんなにデカいこぶを作ったのは、進化ですからね。あのこぶの中には脂肪が入っているのですが、砂漠には食料がないから自分で食料を蓄えているんです。脂肪だけでなく水分も入っているので、背中に直射日光が当たっても体が熱くなりにくいという特徴も。
そのほか、ひづめは砂に潜らない形をしているし、砂の上で休むときに膝が焦げないよう膝パッドがついているし、目に砂が入らないようにまつげが長いし、熱い空気を鼻から吸っても途中で冷えるように顔が長くなっているし…と、完全に砂漠仕様に進化を遂げているんです。砂漠に特化し、砂漠で生きていくと決めたラクダの飽くなき向上心は本当にすごい!

継続力をアピールしたいなら:カモノハシ

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_カモノハシ

変わった動物ですよね。哺乳類なのにくちばしがついていて、しっぽを見ると平たくて大きく、まるで爬虫(はちゅう)類みたい。実際、遺伝子を見ると哺乳類、爬虫類、鳥類の遺伝子のパッチワークみたいになっているらしいです。そして、あのくちばしには鋭敏な神経が通っていて、獲物の生体電流を感知し、魚を捕食できるんだとか。
ではなぜ「継続力」かというと、ほとんどの動物が進化していく中で、カモノハシは太古の時代からほとんど変わっていないから。変わった形だけれど、周りからどう見られようと、この姿のままずっと生きていくという気合いを感じませんか?

忍耐力をアピールしたいなら:ナマケモノ

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_ナマケモノ

じっと木にぶら下がっているだけというイメージがあるかもしれませんが、決して怠けているわけじゃないんです。彼らはすごく進化していて、動きが遅いので地上にいたらすぐに殺されてしまうから、木にぶら下がれるようカギ爪になって、体も軽くなって、体の毛も逆さまに生えて雨を浴びても背中側に落ちていくようになっているんです。そして敵に見つからないよう、じっと動かない。動かなすぎて、体毛にコケが生えるほど。この忍耐力はスゴイです。
動くのは週1回、地上に下りて排せつをするときなのですが、その時地上に下りるのがわかっているからピューマやジャガーなどに狙われ、食べられてしまうのが切ないところ。ここまで進化したんだったら、排せつも木の上でできるようにならないもんですかね…。

計画性をアピールしたいなら:ピグミーマーモセット

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_ピグミーマーモセット

サルの仲間であるピグミーマーモセット。主に樹液や樹脂を食べるのですが、樹液が染み出してくるのに時間がかかるため、前もって歯や爪で樹皮を傷つけておき、半日~1日後に食べに行くんです。このように先を見越して計画的に行動する動物って、ほかにはいないんですよね。人間以外にはピグミーマーモセットしかいないとまで言われているんです。計画性をアピールしたいならば、この動物一択ですよ!

適応力をアピールしたいなら:ラッコ

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_ラッコ

どの動物も適応力があるから進化し、生き残っているのだから、適応力をアピールしたいならどの動物でもいいっちゃいいんですが…あえて言うならばラッコですかね。
ラッコは自分のおなかの上に石を置いて、そこに貝を打ち付けて割り、中身を食べますが、体にポケットがあって、そこにお気に入りの石を入れて持ち運ぶことができるんです。いつ、どこで、貝をゲットできるかわからないから、採れたときすぐ食べられるように石を持ち運べるように進化したと言われています。マイストーンを持ち歩くなんて、ラッコしかいませんよ。
また、ほかの海洋性哺乳類と違って、ずっと海の中で過ごせるのも「海への適応力の高さ」から。1平方センチメートル当たり10万本もの毛が生えていて、体毛密度が濃いから空気の層ができて体を冷やさない、体温を維持するため代謝が高いなども特徴です。

番外編

ちなみに「体力」をアピールしたいという人も多いようですが、コレ、答えは「人間」になっちゃうんですよ。42.195キロを一番速く走れるのは、地球上では「人」。短距離ならば圧倒的にチーターなんですが、長距離で考えると人間なんです。

面接で「あなたを動物に例えたら?」と聞かれた場合の動物例_カモシカ

「好奇心」なら、カモシカかなあ。猟師が銃を構えると、だいたいの動物はあっという間に逃げるのですが、カモシカは好奇心旺盛だから「なんだろう?」と逆に近寄ってきちゃう。でも、近寄ってきたところをズドーンとやられちゃうからなあ…ちょっとかわいそうすぎて、面接では取り上げにくいかも?

自分のアピールしたい性格に合わせて動物を選ぼう

アンタッチャブル・柴田英嗣さん_インタビューカット

今回紹介したような少しマニアックな動物を紹介する場合、簡単に動物の解説を入れると、面接担当者に伝わりやすくなると思いますよ。僕ぐらい動物に詳しい面接担当者なら話は早いんだけどなあ…。なかなかそんな人はいないと思うんで、気になる動物がいたらどこに住んでいるのか、何を食べているのか、どんな大きさなのか、といったことは調べてみてください!

企業が面接で「自分を動物に例えると?」を質問する意図は?

最後に、企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんにこの質問に込められた企業の意図と効果的な伝え方をうかがいました。

株式会社人材研究所 曽和利光さん写真プロフィール 曽和利光(そわ・としみつ)株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊『人事と採用のセオリー』(ソシム)も好評。

企業は、この質問を通して「あなたの人となり」が知りたい

面接においては、どんな質問であっても基本的には「この人はどういう人間か知りたい」という目的で質問しています。この質問においても、選んだ動物とその理由を通して、その人の性格や強み、タイプなどを測ろうとしています。

「顔が似ているからゴリラ」だとか「大好きで何匹も飼っているので猫」などの理由で動物を選択する学生が多いのですが、そのような理由では、あなたの人となりは伝わりません。

また、奇をてらった答えで笑わそうとする人も少なくありませんが、面接は大喜利ではないのですから、うまく答える必要はありません。どんな質問であっても、「自己アピールの一環である」と捉えることが大切です。

自己分析をし、自己理解を深めておくことが大切

自分を動物に「例える」必要があるのですから、まず行うべきは自己分析。自分の性格、タイプ、強みを洗い出し、共通する点がありそうな動物をチョイスして、自身のパーソナリティーをアピールしましょう。
そして、多くの場合は「その能力、強みはどうやって培われたのか」「自身の能力、強みを生かすことができている場面は?」など、追加の質問が投げ掛けられます。深掘りされても焦ることのないよう、自己分析をした上で十分に準備して臨みましょう

なお、「動物」のほかに、「色」や「食べ物」「家電製品」などに例えると?と聞かれるケースもあるようです。どんな対象であっても、同じ考え方で選び、自己アピールにつなげましょう。

取材・文/伊藤理子
撮影/刑部友康

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

みなさんが少しでも明るく一歩を踏み出す気持ちになれることが、
私たちの願いです。