商社の一番の魅力と想定外は?就職先を決める前に知っておきたい、先輩200人の本音集

商社イラスト

就活に当たって業界への理解を深めるためには、そこで働く先輩たちの声を聞くのが一番の早道。だからこそOB・OG訪問は貴重な機会ですが、実際に足を運べる回数は限られています。そこで当企画では、若手先輩たちにアンケートを実施。中の人だからこそわかる業界の魅力や、「本当のところはどうなの?」という実情に迫ってみました。今回は世の中のあらゆるモノやサービスの販売を担う商社業界にスポットを当て、213人の先輩の生の声をお届けします!

先輩たちが商社業界を選んだ理由は?

アンケートに参加したのは、総合商社、専門商社などの商社業界で働く入社1年目〜5年目の先輩213人。まず、就活時代の先輩たちの商社業界に対する志望度はどのくらいだったのでしょうか。また、業界のどんなところに魅力を感じて志望したのかを聞いてみました。

■現在お勤めの企業は、就活 時に志望していた業界ですか? (n=213、単一回答)

「現在お勤めの企業は、就活 時に志望していた業界ですか? 」についてのアンケート結果

■現在お勤めの業界のどういう点に魅力を感じて志望(入社)したか教えてください。(n=213、複数回答)

「現在お勤めの業界のどういう点に魅力を感じて志望(入社)したか教えてください。」についてのアンケート結果

就活時から商社業界を「志望していた」と答えたのは全体の約5割。他業界に比べると、最初から積極的に商社を志望していた人の割合は少なめでした。商社を選んだ理由は「仕事の内容」が最も多く39.9%。次いで「業界への興味関心」「働きやすさ、ワークスタイル」が共に28.2%でした。

働いて実感。商社業界最大の魅力は「働きやすさ、ワークスタイル」だった

■実際に働いてみて、この業界で、最も魅力的だと感じた点はどこですか?(n=213、単一回答)

「実際に働いてみて、この業界で、最も魅力的だと感じた点はどこですか?」についてのアンケート結果

では、先輩たちが実際に入社して感じた魅力は何だったのでしょうか。
商社業界で働いて最も魅力的に感じた点を聞いてみると、「働きやすさ、ワークスタイルが」が第1位で、16.0%。さらに「待遇・福利厚生」13.6%、「仕事の内容」12.2%、「業界の安定感」9.9%と続きました。ただ、全体に飛び抜けて多かった項目はなく、商社業界の何を魅力と感じるかは人それぞれという印象です。

「商社業界の魅力」についてのリアルボイス

【働きやすさ・ワークスタイル】

  • 週休2日、働き方改革で年休の取得も推進されており、休みが取りやすい。仕事もそこまで厳しくはなく、パワハラ等の問題もない(その他商社5年目)
  • アットホームな感じで働きやすい。服装、髪色が自由(総合商社5年目)
  • プライベートな時間を確保することができる(総合商社5年目)

【待遇・福利厚生】

  • ほかの会社では聞いたことのない制度がたくさんある(総合商社2年目)
  • 家賃補助、賞与は上場企業の中でも高い水準にある(専門商社2年目)
  • 育児休暇がきちんと取れ、その後復帰している先輩がいる。そのほか、母の日手当や帰省手当、保育園料の補助などがある(専門商社3年目)

【仕事の内容】

  • 若手のうち から海外で活躍できること(専門商社3年目)
  • 人とたくさん出会うので価値観が広がります。私の存在価値を認めてくれる人が多い(専門商社2年目)
  • 自分の性格などを含めて、職場を決めてもらえたと思う(専門商社5年目)

【業界の安定感】

  • 内装関係の業界で、滞りなく 仕事があるから(専門商社1年目)
  • 大手のグループ会社であることが最大の魅力だから (専門商社3年目)

【その他】

  • 社会への貢献度。医療という緊急性の高い現場のサポートという点で、スピーディ ーな判断が求められ、一人ひとりの貢献なしには成り立たないから(専門商社5年目)
  • 自身の成長。個人の裁量が大きい案件を任せてもら えるから(専門商社1年目)
  • 業界への興味関心。さまざまな節句人形を扱うという数少ない業種で、良いものをたくさん見られる。また、制作の裏側を知ることもできる(専門商社1年目)

商社 イメージ

ギャップが大きかったのは、「仕事の内容」「待遇・福利厚生」「将来性 」

■実際に働いてみて、現在お勤めの業界は、入社前に想像していたものと比べて全体として、どの程度ギャップがありましたか?(n=213、単一回答)

「実際に働いてみて、現在お勤めの業界は、入社前に想像していたものと比べて全体として、どの程度ギャップがありましたか? 」についてのアンケート結果

一方、商社業界に入った先輩たちは、入社前の想像に対してどのくらいのギャップを感じたのでしょうか。聞いてみると、「とても」ギャップがあったという人は17.4%、「やや」あったという人は35.2%。だいたい5割の人が、良くも悪くも何らかのギャップを感じていたことがわかりました。

■最もギャップが大きく「想定外」だと感じた点を1つ、教えてください。(n=202、単一回答)

「最もギャップが大きく「想定外」だと感じた点を1つ、教えてください。」についてのアンケート結果

特に大きなギャップを感じたのはどんな点でしょうか。アンケートの結果、入社前の期待値1位だった「仕事の内容」にギャップを感じた人が最も多く、20.8%。商社の業務内容が非常に多岐にわたることを、入社後に実感した先輩が多かったようです。次いで大きかったギャップは「待遇・福利厚生」14.4%、「業界の将来性」13.4%となりました。

「入社後に感じたギャップ」についてのリアルボイス

【仕事の内容】

  • 見積もり、受発注、お客さまの電話応対…思っていた以上に大変で、想像していた事務職とは全然違った(総合商社5年目)
  • 住宅業界で図面や書類のコピーが多く、デジタル化が遅れていることに驚いた。無駄な作業が多いように感じるが、先輩方が淡々とこなしているので、「よくやれるな」と思った(その他商社5年目)
  • 一般職採用で基本的な事務作業を想定していたが、営業的な仕事もやらないといけなかった(専門商社1年目)

【 業界の将来性】

  • 入社時に決まっていなかった、東京オリンピックの開催に伴う建設業界の需要増加 により、将来性が広がる良い意味のギャップが生まれた(専門商社5年目)
  • なくならない業界だとは思うが、市場は確実に小さくなっている(専門商社4年目)
  • 古くからのお客さんがいて地域に根付いてはいたが、どうしても価格競争の波が押し寄せ、他社の参入もありうるようになった(総合商社5年目)

【働きやすさ、ワークスタイル】

  • 営業ということもあり、拘束される時間が長かった 。また、職場やその土地に女性の営業がいなかったこともあり、初めは働きにくかったです(専門商社4年目)
  • 有休消化や残業面が思ったより良くなかった(総合商社3年目)
  • 事務職で汎用 (はんよう)的な業務だと思っていたが、かなり特殊な基幹システムを使い、アナログな伝票やデータ作成をする。そしてそれを教えられる教育プログラムや人材が極めて少なかった(専門商社5年目)

商社業界を目指す就活生へ送る 、先輩からのアドバイスは?

■これからも、今の業界で働いていきたいと考えていますか? (n=213、単一回答)
「これからも、今の業界で働いていきたいと考えていますか? 」についてのアンケート結果

■後輩に、同じ業界をおすすめ しますか?(n=213、単一回答)
「後輩に、同じ業界をおすすめ しますか?」についてのアンケート結果

先輩たちにこれからも商社業界で働きたいかを尋ねて みると、「働き続けたい」人が「働き続けたくない」人を5%ほど上回りました。さらに、後輩に同じ業界をおすすめしたいか聞くと、「すすめたくない」が「すすめたい」を10%ほど上回り、「どちらとも言えない」という人も全体の3割を超えました。ひと口に商社と言っても、扱う商品や業務で仕事内容は千差万別。一概には言いにくいというのが先輩たちのホンネのようです。

「すすめたい」先輩のリアルボイス

  • 給料や福利厚生、働きやすさはかなり良いが、配属先によってはやりがいを感じられるかはわからない。給料を重視して仕事内容は二の次であればとても良い会社(総合商社3年目)
  • 得意先とメーカー、両方の間に立つ業種なので、双方に関する知識が得られて楽しい(その他商社5年目)
  • 多くの人の生活に関わることができるという面白さがあるから(総合商社5年目)

「すすめたくない」先輩のリアルボイス

  • 拠点が海外に移っていき、将来的にはなくなりそうな業界だから(専門商社3年目)
  • 体質が古く、今の時代と合わない点が多く見受けられる(専門商社2年目)
  • 残業が多くて精神的にもしんどい(専門商社3年目)

最後に、商社業界を目指す就活生へ、先輩たちから応援エールを頂きました。ぜひ彼らの言葉を励みに、就職活動に取り組んでください。

  • 仕事に対する責任が大きい ので、成長志向の方には向いていると思います(専門商社3年目)
  • 人の役に立ちたい。陰ながら人々の生活を守りたいという思いが大切だと思います(専門商社3年目)
  • やりたいことがなんでもできる一方、同じ商社でも規模や会社によって顧客や仕事の内容が全然違うので、よく見て決めた方がいい(専門商社4年目)
  • 自分のアイデアが商品に反映されたり、納入したものが表示されたり、売ったものが目に見えるという点ではすごくいい業界。食べることが好きな人にはもってこいだと思うので、頑張ってください(総合商社3年目)
  • 総合商社はたくさんのものを扱うから、覚えるのが大変。仕入れ先 とお客さまの間の役割で、どちらにも頭を下げることは多々ある(総合商社4年目)
  • 病院が相手なので、捉え方によっては貢献度がとても高い。素早い的確な判断力を求められるので、やりがいもかなりあると思う。しかし緊急性の高い現場だからこそ、休日や深夜の呼び出しも普通にあるので、ワークライフバランス重視の人にはお勧めはしない(専門商社5年目)
  • 身の回りに、自社ものを扱っている方がいるとうれしくなります。誰かの生活の一部を作っていることに、誇りを感じられる仕事です(専門商社2年目)

商社の業界研究をしたい人はこちら

【調査概要】
調査期間:2018年12月6日~12月10日
調査サンプル:商社業界で働く入社1年目〜5年目の社員213人
調査協力:株式会社マクロミル

文/鈴木恵美子


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