【サービスロボット編】企業選びのプロが教えるキラリと光るビジネス

就活する中で多くの学生が迷う「業界選び」や「企業選び」。とはいえ、「行きたい業界や企業が決まっていない」「何を軸に選んだら良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

そんな方向けに、就活情報サイトとは少し視点を変えて要注目のビジネスをご紹介するのがこの企画。「なんか流行っているけど、ビジネスとしての将来性はどうなんだろう?」「業界を横串でつないでいる新しいビジネスって、実際どうなの?」…など、ちょっと気になる、でもよく分からないビジネスを、シンクタンク・日本総合研究所の研究員がプロの目線で紹介します。

今回は「サービスロボット」についてです。サービスロボットってそもそも何?将来性はありそう?といったことに加え、企業の探し方もお聞きしました。ぜひ、参考にしてみましょう。

日本総合研究所 吉田賢哉(よしだ・けんや)株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー
吉田賢哉(よしだ・けんや)

東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程修了。専門は、新規事業戦略やマーケティング戦略、企業のビジョンづくり・組織戦略など。製造・情報通信分野などの業界動向調査や商品需要予測も手がける。

サービスロボットって何?市場規模はどのくらい?

【サービスロボット編】企業選びのプロが教えるキラリと光るビジネス_イメージ画像

「Pepper(ペッパー)」や「Roomba(ルンバ)」など生活の中で使われるロボットのこと

<サービスロボットとは?>

工場の生産ラインで用いられるロボットは、一般的に産業用ロボットと呼ばれます。これに対してサービスロボットは、私たちの生活のさまざまな場面で使われるロボットです。具体的には、以下のようなものが含まれます。

    • 企業や医療機関の受付などで案内などをするロボット
    • 建物の中を巡回し、警備や清掃を行うロボット
    • 災害時に、人が入り込めない場所で人命救助や状況観察などを行うロボット
    • 医療現場で介護や医療行為の手助けをするロボット
    • 農産物の収穫などを自動的に行うロボット

例えば、店舗で接客などを行っている人型ロボットの「Pepper(ペッパー)」(ソフトバンク株式会社)や、家庭向け掃除ロボットの「Roomba(ルンバ)」(米国、iRobot社)などは、サービスロボットの代表格と言えるでしょう。
さらに、介護や農作業などをする際に人間の動作を補助する着用型ロボット(「アシストスーツ」「パワードスーツ」「ロボットスーツ」などと呼ばれます)や、遠隔操作や自動制御で無人飛行する「ドローン」も、サービスロボットに含まれます。

サービスロボットはいくつもの業界にまたがって活用されています。今後はさらに、活用シーンが増えていくでしょう。

2035年には7兆円市場に成長と予測

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2010年に、2015年のサービスロボット市場規模を5971億円、25年の市場規模を3兆6774億円、35年の市場規模を6兆9786億円と予測していました。産業用ロボットの市場規模(NEDOは15年に1兆18億円、25年に1兆5807億円、35年に2兆7294億円と予測)に比べると、サービスロボットは非常に大きな成長力を秘めていると言えます。

市場規模の拡大が期待されている理由は、以下の通りです。

理由1. 日本では少子高齢化が進んで働き手が減るため、ロボットを活用して人手不足解消・作業員の負担減を推進しようと考える企業・業界の増加が見込まれる

理由2. すでに人件費が高い先進国のみならず、新興国においても今後の経済発展により人件費が高くなると予想されることから、人件費抑制が見込まれる分野・用途では、世界中でサービスロボットの導入が進むと考えられる

理由3. サービスロボットは、単に人間の代わりを務めるだけではなく、今までにないサービスを実現するなど、社会に新たな価値をもたらす可能性を秘めている

理由4. ドローン物流、家庭用コミュニケーションロボット(音声認識で家電などの操作や情報検索などができる「スマートスピーカー」を含む)など、将来、爆発的にニーズが増えそうな分野がいくつもある

人が行っていた作業をロボットに置き換えて効率化・省力化を図ったり、ロボットを使って生活を便利にしようとしたりする動きは世界的に加速しています。そのため、サービスロボットの市場もさらに大きくなると期待されているのです。

→出典:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「2035年に向けたロボット産業の将来市場予測」

サービスロボットを「キラリと光るビジネスモデル」として選んだ理由

サービスロボットが有望だと考えるポイントは、主に次の3つです。

1. 市場がさらに拡大すると見込まれる

すでに述べたように、サービスロボットの市場は急拡大が期待されています。サービスロボットが普及することで、私たちの生活はより便利で快適になることでしょう。結果、ますますサービスロボットへのニーズが拡大し、普及が加速することで、非常に大きな市場へと成長すると見込まれます。

2. 斬新な製品・サービスの登場が期待できる

サービスロボットは、私たちの暮らしをガラリと変え、爆発的なニーズを生み出す可能性を秘めています。生活を一変させるほどの製品・サービスに携わることにやりがいを感じる企業や人は多いでしょう。結果、多くの企業・人の努力によって、さまざまな商品が次々と生み出され、その中から、市場の成長を牽引する斬新な商品が登場すると期待されます。

3. 市場が立ち上がり始めたばかりで、支配的な企業がいない

サービスロボットの市場は、まだまだ生まれたばかりです。どの分野でも支配的な企業が存在していないため、多くの企業にチャンスがある状況です。また、企画力やアイデア力、開発力を生かして画期的な製品・サービスを生み出せた企業は、金融・医療・警備・インフラ・観光など幅広い業界で主役の座を占められるかもしれません。

サービスロボットでは、どんな仕事がある?どんな人が向いている?

サービスロボットに携わる仕事には、下記のようなものがあります。

ソフト開発者

ロボットを動かすソフトウェアを開発します。手がけるロボットの種類によっては、人工知能や「ユーザーインターフェース」(コンピュータなどの機械とその利用者が情報のやりとりを行う仕組みのこと。画面の配置がわかりやすいなどの工夫が不可欠)などの技術・ノウハウが求められることもあるでしょうし、金融・医療・介護など手がけるサービスについての業務知識が必要なこともあるでしょう。

ハード開発者

ロボットの外見や、内部の機械などを設計・開発する仕事です。最新技術を取り入れながらモノづくりを進める必要がある一方、暮らしの中で使われるロボットであるため、人に好まれ暮らしに溶け込めるデザインを考える力も求められます。場合によっては、1人の開発者がソフト・ハードの両方を同時に担当するケースもあります。

事業企画

サービスロボットを使った新サービス・新ビジネスを企画する仕事です。人の仕事をロボットに置き換えるだけでなく、新たな価値を生み出すようなサービスを企画できる人は重宝されます。また、介護や医療など法的な規制がある業界の場合、関係する官公庁と交渉する役割も任されます。

営業

出来上がった製品・サービスを顧客に売り込む仕事です。サービスロボットの多くはこれまで世の中になかった価値を提供するため、単にモノ・サービスを営業するだけでは務まりません。「この製品をこんなふうに使うと、生活が一変しますよ」「このサービスロボットを導入すると、企業の価値はこんなに上がりますよ」などと提案できる能力が求められるでしょう。

※どの職種も、これまでにない製品やサービス、価値を生み出して社会に価値を提供する役割が求められます。そのため、「新しいアイデアを考えて人を喜ばせるのが好き」「今まで世の中になかったモノをつくりたい」などと考えている人には向いています。

サービスロボットのホットトピックス

サービスロボットの関連分野では、このような動きが表れています。

多彩な業界の企業がサービスロボットに参入

「サービスロボットをつくっている企業は、ITや機械メーカーばかりだろう」というイメージを持っている人がいるかもしれません。しかし実は、多彩な企業がサービスロボット分野に参入しています。例えば住宅メーカーの大和ハウス工業株式会社は、医療・介護施設や一般家庭で使われるセラピー用アザラシ型ロボット「パロ」を開発。また、警備会社のセコム株式会社やALSOK(綜合警備保障株式会社)などは、自前の警備ロボットを生み出して警備業務に役立てています。今後も、意外な企業がサービスロボットに参入するかもしれません。

→リクナビ2026で「大和ハウス工業株式会社」をチェックする

→リクナビ2026で「ALSOKグループ(綜合警備保障株式会社+他11社)」をチェックする

ドローン関連の動きには引き続き注目を

ドローンを使い、商品の宅配やインフラの状況確認などを行おうとする試みが、さらに活発化しています。

例えば楽天株式会社は、ドローンを使った商品配送サービスを2019年度中にスタートすると発表しました。国内の山間部や離島などで買い物をするのが難しい人々に対し、ドローンで商品を配送する計画です。一般消費者がドローンで荷物を受け取れるサービスは国内初となる見込みで、注目が集まっています。またソフトバンク株式会社は、ドローンを使って橋や発電所、送電鉄塔といったインフラの状況を確認する社会インフラ保全サービスに参入すると発表。ドローンにまつわる各企業の動きには、引き続き注目が必要です。

サービスロボット関連企業の探し方

最後に、サービスロボット関連の企業をどうやって探したらいいのかご紹介します。

就職情報サイトを使う場合

リクナビなどの就職情報サイトを使って企業を探す場合は、業界から絞って探すのは難しいため、下記のように、サービスロボットに関するキーワードをフリーワード欄に入れて探すと良いでしょう。

  • 医療用ロボット
  • 介護用ロボット
  • 掃除用ロボット
  • 警備用ロボット
  • 農業用ロボット
  • 建設用ロボット
  • 災害用ロボット
  • アシストスーツ/パワードスーツ
  • ドローン

サービスロボットはホットな話題なので、各種ニュースサイトで取り上げられる機会がかなり多くあります。そこで、ニュースサイトで「サービスロボット」などのキーワードを使って検索すると、最新の動向が得られることもあります。また、業界団体である「一般社団法人 日本ロボット工業会」のWebサイトを見れば、同会の参加企業が確認できます。ここから、サービスロボットを手がけている企業を見つけることもできるでしょう。

→一般社団法人 日本ロボット工業会のWebサイトを見る(外部サイトにリンクします)

取材・文/白谷輝英
撮影/平山 諭
イラスト/安西哲平


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