ゼミや研究室での活動を基にしたガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、「論理的思考力」や「チームワーク」など、経験に応じてさまざまな強みを伝えることができます。ガクチカを通じてあなたの人柄・価値観・学びを知りたいと考えている企業には、大きなアピールポイントとなるでしょう。本記事では、ゼミや研究室での活動を生かしたガクチカの「考え方・伝え方」について、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが解説します。
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目次
※今すぐ「ゼミや研究室のガクチカ例文」を知りたいという方は、こちらのリンクから本記事の該当箇所へジャンプ移動してください。
ゼミや研究室でのガクチカは企業に評価される?
企業が「ガクチカ」で知りたいこと
まず前提として、企業がガクチカを通して確認したいのは「モチベーションの源泉や人柄、価値観などが自社とマッチしているか」です。そのため、ゼミや研究室のガクチカでは、自ら考えて主体的に取り組んだエピソードを選ぶと効果的でしょう。
研究テーマと志望企業の業務とに関連性がない場合
理系や一部の専門職を除くと、新卒採用の多くはスキルや経験ではなく、学生の潜在能力を見ています。そのため、ゼミや研究室のテーマが業務に直結していないからといって、企業がガクチカの評価を下げるようなことはないでしょう。
ゼミや研究室でのガクチカは、専門性だけではなく、論理的思考力や研究意欲、ゼミ内でのチームワークなど、さまざまな観点をアピールすることができます。
目標達成のために、時には周囲と協働しながら研究を進めるゼミや研究室の在り方は、社会に出てからの働き方と共通点も多いため、企業にとっても魅力的なガクチカテーマの一つと言えます。
理系など、専門性を生かして就職を希望する場合
理系や一部の専門職など、専門性を生かした就職を希望する場合は、志望企業の業務内容と研究テーマの親和性が見られることもあります。その場合は、研究によって得た知見や専門性そのものがアピールの一つになるケースもあるでしょう。
ただし、だからといって研究内容を説明するだけでは「ガクチカ」にはなりません。必ず自分の考えや、創意工夫、学んだことを書きましょう。
ゼミや研究室のガクチカを準備する際の考え方やポイント
(1)努力したこと、工夫したことなど「プロセス」で差別化する
ゼミや研究室のガクチカを差別化するポイントは、プロセスにあります。自分なりに工夫したことを振り返ってみましょう。例えば、「300本の試験管に検査溶液を正確に入れる作業をミスなく行うために、食塩水を使って自主練習をした」など、日常的なことでも良いのです。
自分にとっての当たり前は、周囲からすると「スゴイこと」かもしれませんし、その経験や創意工夫を求めている企業がいるかもしれません。
(2)ゼミや研究室でのガクチカは「企業が求める人物像」と接点があるとより良い
ゼミや研究室でのガクチカでアピールする内容は、その企業が求める力や価値観と合ったものにできると理想的です。
例えば、「継続力」を大切にする企業には地道な努力で成果を出したエピソードを、「協調性」を重視する企業には、研究室内のメンバーと協働して成果を出したエピソードをアピールするなど、応募企業ごとに変えるのも良いでしょう。
(3)フォーカスする切り口を定めて、得た学びやスキルを言語化する
例えば、研究室で「3日間で13時間の作業が必要な、複雑で長時間かかる実験をやり遂げた」という経験があったとします。
このエピソードをガクチカにする場合、休憩時間をうまく取りながら最後まで集中力を切らさずに取り組んだ経験としてフォーカスすると「メリハリをつけて取り組む力」をアピールすることができます。複雑な工程をミスなく終えたことにフォーカスすると「作業の正確性」をアピールすることもできるでしょう。
同じ経験でも切り口を変えれば、アピールできる内容も変わります。どうアピールするかは、応募企業の求める人物像などを参考にして決めるのも良いでしょう。
(4)ゼミや研究室のガクチカは「7つの基本構成」に沿って書く
ゼミや研究室のガクチカは、以下の7つの基本構成に沿ってまとめると、企業の採用担当者にもわかりやすく魅力的な内容になります。
※ガクチカの詳細な書き方とポイントは、こちらの記事を参照ください。
ガクチカの基本構成まとめ
基本構成 | ゼミや研究室をガクチカとして書くときの例 |
1:結論・取り組んだこと | 研究室での実験 |
2:きっかけ・背景 | 長時間にわたる複雑な実験でミスを連発 |
3:設定したゴール | プレッシャーに耐え、正確に作業を完遂させる |
4:体制・役割 | 教授に働きかけて自主練習の許諾を得た |
5:こだわったこと | 本番さながらの負荷 ・タイマーで時間制限を設定 ・実際の2倍量で練習 |
6:結果・学んだこと | 研究室内でも屈指の正確性とプレッシャー耐性を獲得 企業との共同研究メンバーに選出された 泥くさい努力を続けることで自分を変えることができると学んだ |
7:学んだことをどう生かすか | 困難な状況でも努力を惜しまず乗り越えたい |
理系研究室のガクチカ例文400文字
長時間の実験を通して「泥くさい努力の重要性」を学んだガクチカ例文
私が学生時代に力を入れたことは、研究室での実験です。(1:結論・取り組んだこと)
所属する研究室は長時間にわたる複雑な実験が多く、最初はミスを連発していました。例えば、300本の試験管に正確な量の薬液を入れる作業は、1本1本でも誤差が生じるとすべてやり直しになります。そこで「プレッシャーに耐え、正確に作業を完遂させることに慣れる」ために、教授に掛け合って自主練習を実施。(2:きっかけ・背景、3:設定したゴール、4:体制・役割)
本番さながらの負荷をかけるべく、タイマーで時間制限を設け、実際の2倍量である600本の試験管に食塩水を規定の量入れる作業を、半年間、毎日続けました。(5:こだわったこと)
その結果、今では研究室内でも屈指の正確性とプレッシャー耐性を手に入れ、来学期には大学と企業とで行う共同研究メンバーにも選出されました。この経験を通して私は、泥くさい地道な努力を続けることで、自分を変えることができると学びました。(6:結果・学んだこと)
貴社に入社後もこの学びを生かし、困難な状況でも努力を惜しまず乗り越えたいと考えています。(7:学んだことをどう生かすか)
フィールドワークを実現させ「粘り強く交渉する重要性」を学んだガクチカ例文
私が学生時代に力を入れたことは、研究室でのフィールドワークの企画実現です。(1:結論・取り組んだこと)
所属する研究室には実地調査がないことを残念に感じ、研究室のメンバー5人で協働して、教授や関係企業にフィールドワークを提案。私は調査地の選定と交渉を担当しました。(2:きっかけ・背景、3:設定したゴール、4:体制・役割)
最もこだわったのは、研究テーマの異なる5人全員が満足する調査地の選定です。100カ所以上リストアップした中で見つけた海外の調査地は予算を超えていたため、宿泊先や移動手段を見直し、現地エージェントとも料金を交渉。共同研究中の企業に協賛金を募るなど、粘り強く各所と交渉を進めました。(5:こだわったこと)
その結果、今年の春に第1回の実地調査が実現。レポートをまとめて協賛企業に報告したところ、第2回の調査費用も負担いただくことが決まりました。この経験を通して私は、多少のことではあきらめずに交渉を続ける重要性を学びました。(6:結果・学んだこと)
貴社に入社後もこの学びを生かし、仕事での成果につなげたいと思います。(7:学んだことをどう生かすか)
文系ゼミのガクチカ例文400文字
参考資料のリデザインを通して「情報伝達の重要性」を学んだガクチカ例文
私が学生時代に力を入れたことは、ゼミ内の参考資料のリデザインです。(1:結論・取り組んだこと)
隔週で行われるゼミの成果発表用に先輩から引き継いだ参考資料がページごとにレイアウトが異なり、要点をつかみづらいことを課題に感じていました。そこで、「一見しただけでわかる資料」を目標に掲げ、ゼミ内で資料全体のリデザインを提案し、実務者として対応しました。(2:きっかけ・背景、3:設定したゴール、4:体制・役割)
こだわった点は、視覚的な情報伝達スピードの向上です。300ページ分の全資料の構成要素を把握し、要点が視覚的に理解しやすいレイアウトになるようにデザインを統一しました。(5:こだわったこと)
リデザイン後は、全員の発表理解度が向上し、質疑応答も活発になっています。新しく発表資料を作成する際も、必要な参考資料がすぐに判断できて作業効率が上がったと教授からも喜ばれました。この経験から私は、情報伝達の重要性を学びました。(6:結果・学んだこと)
貴社に入社後もこの学びを生かし、誰もが理解しやすいプレゼンテーションを行いたいです。(7:学んだことをどう生かすか)
共同研究の推進を通して「目標を自分ごとにさせる重要性」を学んだガクチカ例文
私が学生時代に力を入れたことは、ゼミでの共同研究の推進です。(1:結論・取り組んだこと)
ゼミではメンバー間の意見が分かれることが多く、共同研究が停滞しがちでした。そこで、「なるべく全員が主体的にかかわり、期限内に研究発表をまとめる」ことを目標に掲げ、プロジェクトの進捗管理役を担当しました。(2:きっかけ・背景、3:設定したゴール、4:体制・役割)
工夫した点は、全員に目標と現在地を共有することです。プロジェクト管理ツールを使って、全体発表までのマイルストーンを設定し、各自の進捗と自分の担当作業が、ほかの誰の作業にどう影響するのかを可視化しました。(5:こだわったこと)
この結果、プロジェクトの進行度合いがメンバー全員にとって自分ごとになり、無駄な意見対立や他人任せにする行動が減りました。発表資料も当初の予定よりも前倒しで完成。
この経験から私は、与えられた目標を自分ごとにさせる重要性を学びました。(6:結果・学んだこと)
貴社に入社後は、この学びを生かしてプロジェクトマネジメントに取り組みたいです。(7:学んだことをどう生かすか)
ゼミや研究室の経験をうまくガクチカに生かせない…そんなときはリクナビ就職エージェントを頼ろう
「ゼミや研究室をテーマにガクチカを書きたいけど、うまくまとめられない」という場合に頼りになるのが、就活のプロである就職エージェントです。
例えば、リクナビ就職エージェントでは以下のようなサポートを行っています。
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就活の専門知識に長(た)けた専任アドバイザーが就活全般をサポート。一緒にこれまでの経験を振り返って強みを整理し、ガクチカのエピソード選びや書き方もアドバイスします。
キャリアアドバイザーは「頑張った経験がない」という就活生も数多くサポートしているので、これまでの経験を聞きながら、本人でも気づけていなかった長所を引き出すのが得意。「こんなことガクチカにしていいのかな?」という迷いも受け止めます。
「ガクチカ」を基に、相性の良い企業を紹介し、選考をフォロー
ガクチカの作成サポートを通して把握した就活生の価値観や人柄、志向を基に、その人に合った企業や求人も紹介します。
紹介する企業はどんな人物を採用したいかなど、企業の採用要件をヒアリングしているので、会社ごとのエントリーシート(ES)添削や面接準備にもしっかりとサポートが可能です。
面接を通過できなかった場合にも、できる限り企業から面接評価とその理由を取得。「なぜ面接で落ちたのか」「何が足りなかったのか」を就活生にフィードバックすることを心がけているので、他社の選考に生かすこともできるでしょう。
理系学生の就活は、理系の専門分野に精通したアドバイザーがアドバイス
理系学生の就活は、理系の専門分野に精通したアドバイザーがサポートします。
複雑な研究テーマをガクチカでわかりやすく伝えるコツや、専攻を生かした就活の進め方、研究内容と親和性のある職種紹介など、理系ならではの悩みにも寄り添えるので、最終的に納得して就職を終えやすくなるかもしれません。
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