「働く」の第一歩となる就活は、誰にとっても初めての経験。思うように進まなくて途方に暮れ、立ち止まってしまうケースも少なくありません。そんなとき、親身になって相談に乗ってくれる人がいたら…と思うことはありませんか。
そんな就活生の相談を、仏のような慈愛の心で受け止め、女神のように温かく励ましながら、これからのことを一緒に考えてくれるキャリアアドバイザーがいます。今回は彼らの元を訪れる就活生とリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーとのやりとりを公開。同じ迷いや悩みを抱える就活生は、きっとヒントが見つかるでしょう。
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<今回のご相談>
異なる業界の3社から内定。どこに決めればいいかわからない。やはり“大手”がいいですか?
国立大学文系4年の学生Bさん。3年生の夏に金融関連企業のインターンシップを経て、3月の解禁とともに積極的に就活開始。業界は絞らずに「社員が魅力的かどうか、“ひと”を軸にして選んで」応募。その結果、最終面接まで進んだ3社すべてから内定通知がありました。「いずれも希望した会社ではありますが、どの1社に決めたらいいか、正直わかりません。やはり大手を選んだほうがいいでしょうか」。
目次
異なる業種から3つの内定。自分では選べません。やっぱり大手がいいですか?
キャリアアドバイザー 3社からの内定通知!おめでとうございます。頑張りましたね。
Bさん はい、ありがとうございます。でも、ここにきて、どの会社を選んだらいいか本当にわからなくなったんです。積極的に就活に臨みましたし、3社とも自分なりに「この会社がいい」と選んで応募した会社ばかりですから、内定通知をもらって、すごくうれしかったんですよ。どの会社もとても親身でいいので悩んでしまいました。
キャリアアドバイザー 社員が魅力的かどうか、働く人を軸に選んで応募したとおっしゃっていましたね。3社の業界を教えていただけますか。
Bさん はい。金融、商社、メーカーです。中でも金融は大手で評判もいいので、やっぱり、ここがいいかなと思うのですが・・・。実は、この金融の内定が3社目、最後の通知でした。2社の内定はすでに決まっていましたがこの金融は特に大企業ですし、ひそかに待っていた内定でしたから「やったあ」と思いました。その後の社員面談でも「一緒に頑張ろう」と声をかけてもらって、すごくうれしかったはずなのに、その日「承諾書を書いてほしい」と言われたときに、その場で書くのにためらいがあって、「両親と相談してきます」と持ち帰ったんですね。両親も喜んでくれましたが、自分の気持ちは3社ともヨコ一列で、どこを選んだらいいかわからなくなっていました。
(ここで、Bさんはそれぞれの会社について、キャリアアドバイザーに説明する)
大企業かどうかより「納得」できる選択をするには
キャリアアドバイザー そうでしたか。3社ともに魅力的な会社ですが、Bさんにとって何が大事か、この機会によく考えて、納得できる決定をするために話し合っていきましょう。
まず、大手がいいかな、というのはBさん自身が心からそう思っているというよりは、そうした方が賢明かなということですね。賢明である、ということもとても大事な決定要因ですが、問題はBさんが納得できていない(笑)、ということです。
Bさん そうなんです(笑)。
キャリアアドバイザー Bさんがどのようなモチベーションや価値観を持っていらっしゃるか、質問しますね。まず、どんなとき、どんなことをしているときの自分が好きですか。
Bさん 僕は、新入生の歓迎イベントを企画・主催・実行するサークルに所属しているんですが、その時間が一番楽しく充実感を覚えます。
キャリアアドバイザー そういうサークルもあるんですね。その時間のどんなことが楽しいのですか。
Bさん 大学に入学したときに自分がやってもらってすごく楽しかったので、今度は自分がその楽しさを新入生にあげたいと入部したのですが、人に喜んでもらう、人を笑顔にすることがこんなに自分を喜ばせるんだって知りました。サークルの仲間もみんな、和気あいあいと働いていて、その雰囲気も僕にはとても素敵なことだと思えました。
キャリアアドバイザー なるほど。では次にちょっと違う方向からの質問です。Bさんに弱みはありますか。
Bさん はい。人との関係性を築けないことにコンプレックスを感じています。初対面でのコミュ力はあると思うのですが、長期的な関係に踏み込めないのです。
“丸ごとの自分”を受け入れてくれる企業を選ぶことが大事
キャリアアドバイザー 3社ともに内定が出たということは、Bさんの能力強みがきちんと伝わり、企業が求める人材像ともマッチした、ということだと思うのですが、毎日を共に働くということは、強みばかりではなく弱みも受けとめてもらえる職場かどうか、という面がとても大事です。まさしく長期化する人間関係では、まるごとの自分を受け入れてもらう必要がありますね。
Bさん 丸ごとの自分・・・。なるほど。そういうふうに考えたことがなかったです。参考になります。何か自分の中で感じるものがあります。
キャリアアドバイザー 内定の出た3社が、それぞれどんな人材を求めているか、という部分を中心に、もう一度見てみましょうか。例えばこの商社では、特に営業職を求めているようですね。「当社は既存営業が8割ですが、今後は新規開拓に力を注ぎたく、特にそれができる人材を募集」とあります。
Bさん あっ!初対面のコミュ力の強さがそのまま生かせるということですね。
キャリアアドバイザー 3社を分析してどこがいいかと判断するだけでなく、いま一度自分の強みと弱みを自覚して、どこなら、サークルのように人を喜ばせ、笑顔にできる仕事ができて自分が喜べるか想像してみませんか。何が最も得意か苦手か、何がしたいか、自分では案外わからないことがあるものです。
自分の外側だけ見ていては、本当の自分に気づけない
Bさん そのとおりです。これまで僕は、できたか・できなかったかが問題で、どんなことでもできる、というのがいいことだと信じで、「できる」状態を目指してきました。結果として“優等生”っぽくはなれましたが(笑)、自分の弱みも丸ごととらえるという、そんなことは考えたことがありませんでしたから、今日はお話ができてほんとによかったです!
キャリアアドバイザー できないことが、これまで少なかったようですから(笑)、あまり自分の強みや弱み、などを考える必要もなかったのかもしれませんね。
Bさん そんなことはないですが、自分のできる部分ばかり・・・、なんというか、自分の外側しか見ていなかったのだと思います。
キャリアアドバイザー 働くということは、自分と他者、自分と会社、自分と社会といういくつもの関係の中で自分を育てていくことにほかならないのですね。就活はそのスタート時点。自分は何を求めて、これから努力をしようとしているか。強みや弱み、喜びややりがいなど、自分がいいと思うことに優先順位をつけていくと、納得のできる内定選択の理由がわかるのではないでしょうか。
Bさん 今日、相談したことで、納得して自分で決定できると思います。自分が「人のために生きたい、喜ばせたい」と思っていることがよくわかりました。また、強みは初対面などでの最初のコミュ力の強さ、弱みは長期的な関係構築が苦手な点だと思います。新たな視点で自分を見直すことができました。ありがとうございました。
キャリアアドバイザー 3社のどこを選択したか、決定したら、理由とともに聞かせてください。
Bさん はい、必ずご連絡します。
その後…
Bさんからは、最終的に決めた1社とその理由についての連絡がありました。
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※本記事は、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが実際に就活生とやりとりした相談を参考に再構成しました。