地方テレビ局を2年で退職したBさんの就活失敗体験談|入社3年以内に人気企業を退社【CASE2】

営業配属後に接待しているイメージ画像

誰もが知っている人気企業や大企業に新卒で入社したのに、3年以内に早期退職する人がいます。人気企業、大企業を志望する就活生からしたら「なんてもったいない…」と言いたくなりますが、本人は「こんなはずじゃなかったのに…」という残念な気持ちで、退職という大きな決断に踏み切っています。

そんな先輩たちがホンネで語る、リアルな就活失敗体験談にじっくり耳を傾けてみませんか。

【CASE2】は、どうしても行きたくて片っ端から受けたテレビ局のうち、地元局に入社できたものの、2年以内に退職したBさん(男性)の就活失敗体験談です。

 

体験談の後には、企業の採用に精通している、株式会社人材研究所の曽和利光さんから、参考になるアドバイスも頂きました。これからの就活に役立つヒントが満載です。

退職届のイメージ画像

「知ってるつもり」の地元テレビ局で、想定外の働き方に遭遇、2年で辞めたBさん(男性・27歳)

志望理由は「テレビが好きだったから」。片っ端から受けて1社だけ内定獲得

私は人口が多くない(笑)西日本のある県の出身です。地元の大学を卒業して、新卒で地方テレビ局に入社しました。地方とはいえ、地元では誰もが知っている有名な局です。学生時代にカメラアシスタントのアルバイトをしていたご縁もあって、そのまま内定を頂きました。だから「配属もきっと同じ部署だろうな」と勝手に考えていました。

私がテレビ局を志望した理由は、もともとテレビが大好きだったからです。就活では全国キー局を含め、テレビ局関連企業を片っ端から受けました。キー局は全滅でしたが、1社だけ内定をくれたのがこの地方局でした。

当時、いわゆる業界研究や企業研究は、まったくおざなりでした。アルバイトをしていたので、そのテレビ局のことをすっかりわかった気になっていたところがあると思います。実際にテレビ局にはどんな部署・仕事があるのか、ビジネスモデルはどうなっているか、などはまったくわかっていませんでした。

退職した理由は、想定以上の飲み会の多さと、想定外の業務内容

入社後は、法人営業部に配属され、地元の有力企業に「CMやりませんか」と営業して回りました。でも入社早々、高い壁にぶつかります。それはいわゆる飲み会や接待の多さです。多い少ないの認識には個人差があると思いますが、お酒がまったく飲めない自分にとって週5の宴席と毎週末のゴルフ接待は苦痛以外の何物でもありませんでした。酔うと人に迷惑を掛けてしまって翌日自己嫌悪に陥る、というパターンの繰り返し。それでも宴席が減ることはありません。部署内には暗黙のうちに「宴席が多い=仕事頑張っている=偉い」という図式が確かにありました。僕はだんだんと消耗していきました。

圧倒的な業界・企業研究不足を、入社後に後悔

もう一つの退職理由は、事そのものが自分に合っていなかったからです。

そもそも就活時の研究が足りず、「テレビ局にも営業がある」ということさえ知りませんでした。アルバイトをしていただけで会社のことを知ったつもりになり、また、テレビ局への強い憧れのせいで、自分にとって都合の良い表面的な部分ばかりを見ていました。アルバイトで経験していた制作現場の仕事は好きでしたが、CMの営業や価格交渉をするのはとても苦手でした。取引先との商談が不調に終わって叱られたり、飲み会で失礼なことをして怒られたりすることが続き、次第に心身共に疲弊して、夜も眠れなくなってきました。

入社して1年10カ月が過ぎ、さすがにもう無理だ、次のボーナスが出たら辞めようと思っていたころ、兄から真剣な顔で「ボーナスを待って人生を棒に振るのか」と詰め寄られて目が覚めました。翌日辞表を出しました。もし、あのまま、あと数カ月でも続けていたら、どうなっていたか自分でもわかりません。

もし、もう一度大学生に戻って就活するなら、どうする?

私が新卒入社先を早々に退社した最大の理由は、アルバイト経験などで中途半端に会社や業界を知ったつもりになり、自分にとって都合の良いところしか見ていなかったせいで、仕事に納得感がまるで持てなかったせいだと思います。業界と会社に対する圧倒的な研究不足も原因です。自分がするかもしれない仕事、業界については、真剣に調べておくべきでした。

これは別に人気企業に限りませんが、自分にとって憧れや良いイメージが強いところほど、落とし穴があると思います。

もう一つは自己分析をしっかりやるべきですね。経験したから言えることですが、自分に向いていない職場環境で、向いていない仕事をしているのは、本当につらいです。それをずっと続けるほど、僕は強くありませんでした。

最後に、その会社の価値観や風土を調べることも、絶対に大事です。僕の場合でいう連日の飲み会のように、その企業に、自分にとって受け入れるのが難しそうな文化はないか、なども調べておくといいと思います。どんな組織にもやっぱり風土ってありますから。

ネットで情報収集したり、OB・OG訪問で具体的に聞いてもいいと思います。憧れが強い業界ほど、厳しめにチェックした方がいいかもしれません。入社前に100パーセント知るのは不可能ですが、それでも、調べておいた方が絶対にいいと思います。

曽和さんからのアドバイス:規制を受けている業界の特徴を知っておくとベター

株式会社人材研究所 曽和利光さん写真1プロフィール 曽和利光(そわ・としみつ)
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか? 人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。

政府から規制を受けている業界にありがちな特徴を知っておきたい

Bさん自身の反省の弁にもあるように、事前に情報を集めておくことは大前提ですね。インターンシップやOB・OG訪問などでできるだけリアルな接点を取りにいきたいところです。アルバイトをしているからといって、その会社や業界全体を知っているつもりになったり、イメージだけで仕事を捉えるのは非常に危険です。

加えて、このケースの場合は、やや特有の要素もあると思います。

人気企業というと大手企業や安定企業が多いのですが、そういった企業や業界の中には、政府から何らかの規制を受けている場合がしばしばあります。

規制があるために参入障壁が高く、守られているところが多い。守られているがゆえに、待遇が高かったり競争が激しくないために余裕があったりすることで、人気企業になることもあります。

テレビ局のすべてそうとは言いませんが、多くは当てはまると思います。

もちろん、これは企業経営的には良いことです。待遇が高いから優秀な人を採れるし、余裕があるから、いろいろなことにチャレンジできるという利点もあります。しかしデメリットとしては、規制産業は、特定のパートナー企業とのリレーションが強く、それを維持することが重要な業務であることから、必然的に付き合いが多くなるということが挙げられます。

社会人の付き合いのすべてが宴会とゴルフ、というわけではありませんが、得てしてそういう業界や企業は、業務に占めるお付き合いの要素が、そうでない業界に比べて色濃くなる傾向はあると言えるでしょう。

大手企業になるほど、必要になる「年上リテラシー」のスキル

もう一つ、これは規制を受けている業界に限らないのですが、多くの企業では、大企業になるほど、年齢の上の人たちとのコミュニケーションが大事になってきます。意思決定をする年上の上司たちに物おじせず、さりとて生意気にならずにコミュニケーションを取れる能力、いわば「年上リテラシー」が求められます。

大企業で意思決定をするのは親世代や、さらにその上の世代であることが多いので、彼らと、しっかりコミュニケーションがとれることは、大企業では大きな強みになります。一朝一夕ですぐに身につくスキルではありませんが、これも、大企業の大きな特徴の一つだと言えます。こういった点にも注目ください。

 

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大企業志望でうまくいかない就活生のために「採用のプロ」が教える“巻き返し術”

 

取材・文╱佐々木ゴウ 就職ジャーナル編集部

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