鉄鋼業界の仕事内容、魅力、やりがいとは?市場動向や将来性、志望動機のポイントも紹介【例文あり】

「鉄鋼業界の仕事内容が知りたい」「鉄鋼業界の動向や今後について把握したい」と考えている人もいるでしょう。リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが、鉄鋼業界の構造や鉄鋼メーカー分類、主な職種とやりがい、市場動向、将来性などを解説します。志望動機の書き方のポイントも併せてご紹介するので、業界研究や応募書類を作成する際の参考にしてみましょう。

鉄鋼業界とは

まずは、鉄鋼業界の構造や鉄鋼メーカーの分類について解説します。

鉄鋼業界の構造

鉄鋼業界とは、鉄の製造・加工を担う鉄鋼メーカーと、それらの製品を仕入れてさまざまな業界に販売する商社・販売会社によって構成されています

鉄を必要とする業界は幅広く、自動車やビル、造船などに使われ、道路、鉄道、橋などの社会インフラや、工場で使われる産業機械、石油・天然ガスのパイプラインなどにも欠かせないものです。また、身近なものでは、家電などの電気機器や、食料・飲料などの缶にも使われています。

鉄を製造・加工する方法はいくつかあり、鉄鋼メーカーは「高炉メーカー」「電炉メーカー」「特殊鋼メーカー」に大きく分類されます。原料・製造方法に違いがあるので、それぞれの特徴をつかむことが大事です。

鉄鋼メーカーが作った鉄鋼製品は、鉄鋼メーカー系列のグループ会社や商社・販売会社などに卸すこともあれば、自動車、建設、造船、産業機械などの各種メーカーに直接卸されることもあります。

また、最終的な買い手となる各種メーカーに届くまでには、鉄鋼メーカーから直接、鉄鋼製品を買い付ける一次卸の商社・販売会社からさらに加工業者を経るケースや、特約店と呼ばれる二次卸の商社・販売会社を経るケースもあります。

高炉メーカーとは

高炉という設備を使い、鉄鋼製品を生産しているのが高炉メーカーです。鉄鉱石やコークス(石炭を蒸し焼きして炭素の部分だけを残したもの)などの原料から高炭素の鉄を取り出し、不純物を取り除いて鋳造するところまで一貫して手がけます。

高炉は巨大な装置や設備を必要とする装置産業であり、建設や維持に多額のコストがかかるため、基本的に高炉メーカーは大規模かつ資本力がある企業と言えます。

高炉メーカーの鉄鋼製品は、自動車、タンカー、発電所、石油や天然ガスなどの採掘設備やパイプライン、道路・鉄道・橋などの基礎構造、ビル、家電まで、さまざまな業界で利用されています。

電炉メーカーとは

電炉メーカーは鉄スクラップ(くず鉄)などを原料とします。電気炉という設備で鉄スクラップを溶かし、不純物を取り除いた後、普通鋼材を製造します。

これらは、主に建物や乗り物などの骨格部分などに使われ、土木・建築工事における基礎的な資材となっています。高炉メーカーと比較すると、電気炉の建設や維持コストは低いと言えるでしょう。

また、電炉メーカーは二酸化炭素排出量が比較的少ない生産方式を実現しており、不要になった鉄スクラップをリサイクルする企業もあります。

特殊鋼メーカーとは

電炉メーカーと同じく、鉄スクラップを原料とし、電炉で溶解する製法ですが、マンガン、ニッケル、クロムなどのレアメタルを加えることで、特殊な機能を持たせた鋼材を作ります。

鉄に添加するレアメタルなどの種類や量に応じて、熱に対する強さ、硬さ・強靭(きょうじん)さ、さびにくさ、摩擦・摩耗への強さ、加工しやすさなどの特殊な性質が生まれます。

これらの特殊な性質を持つ鋼材は、航空機や船舶、鉄道などの輸送機や、パソコンやスマートフォンなどの情報機器、発電所や工場の施設・機器、医療機器など、幅広い業界で使われています。

鉄鋼業界の主な職種と仕事内容【文系・理系別に紹介】

鉄鋼業界の文系職種と理系職種について、それぞれ仕事内容を解説していきます。ただし、理系出身者が文系職種に配属されるケースもあります。

鉄鋼業界の文系職種と仕事内容

まずは代表的な文系職種について解説します。

営業

鉄製品を利用するさまざまな業界のメーカーや、工事を手がける建設会社などに向けて、工場で生産された製品の営業・提案を行います。国内営業と、海外輸出営業があり、顧客のニーズに応えるために、製造部門、生産管理部門、研究所などと連携し、納期に間に合わせて製品を納入するところまで管理します。

原料購買

鉄の原料となる鉄鉱石や石炭などを世界中から買い付け、輸送船舶などの確保や製鉄所への輸送全体の進捗(しんちょく)管理などを行います。生産計画に合わせた購買計画を管理し、質の良い原料を安定的に調達するために、海外資源開発に投資する案件や、権益取得のプロジェクトなどに携わることもあります。

経営企画

経営層が打ち出す経営方針を実務に落とし込むために、経営戦略の立案・策定を担当します。予算や目標値、目標達成のための施策・プロセスまで策定し、社内の各部署と連携して実行に移します。 また、目標に対する予算や実績の進捗なども管理し、達成状況に合わせて新たな施策の企画や、施策の修正なども行います。

人事・総務・経理・財務など

企業経営に必要なバックオフィス業務を担う職種です。人事は、採用活動、教育研修などの人材育成に加え、従業員の勤務時間の管理や給与計算、保険手続きなどの労務も担います。総務は、備品管理や施設管理などの社内環境整備に加え、福利厚生の整備や社内イベント企画なども担当します。経理は、組織全体のお金の流れを数値化・管理する役割を担います。帳簿作成、請求書の発行、従業員の給与計算、税務申告などを手がけ、決算期には、財務諸表や決算書の作成も行います。財務は、経理が作成した決算書を基に、今後の財務戦略の立案や予算の管理、資金調達などを行います。

鉄鋼業界の理系職種と仕事内容

代表的な理系職種について解説します。

研究・開発

鉄鋼素材や最先端技術の研究・開発などを担当します。自社の強みとなる技術力を磨き、顧客のニーズに応えるため、鉄鋼商品の開発や、製造プロセスの開発、利用・基盤技術の開発などを手がけています。鉄鋼業界の競争は世界的に激化しているため、研究・開発によって技術力を高め、競争力を強化していくことは重要な課題となっています。

設備企画・設備技術

設備企画は、鉄鋼製品を作る設備において、基本設計、仕様決定、機器メーカーへの発注、管理、テスト運転などを担当します。設備技術は、製造設備や工場、インフラ設備の建設・運用・保全を担当します。大規模設備のエンジニアリングを担い、製造業務を効率化する方法なども考えます。

製造技術

顧客のニーズに応える品質や機能を実現するために、製造技術の開発を行います。また、コスト削減や効率化なども含め、安定的に操業できるようにするための技術開発も担当します。

文系・理系を問わない職種

文系・理系を問わない職種についても、代表的なものを解説します。

生産管理・生産技術

生産管理は、鉄鋼製品の生産計画の立案・管理や製造工程の管理を担います。スケジュール作成や進行管理、在庫管理、資材の発注、納期対応なども担当します。
生産技術は、工場や生産現場における生産ラインの設計・管理を行います。

品質管理

工場で生産された製品の品質チェックや改善テストなどを担い、品質を管理します。また、社内に共有する調査レポートの作成や、品質向上や品質担保を実現する改善施策の提案なども行います。

鉄鋼業界のイメージ

鋼業界の魅力とやりがい

鉄鋼業界で働く魅力とやりがい、向いている人についてご紹介します。

社会に必要不可欠なものづくりに携われる

先にも述べた通り、鉄鋼製品は、道路や橋、鉄道などの社会インフラから、自動車などの乗り物、オフィスビルやマンション、商業施設などの建築物、さらに発電所や工場まで、社会において必要不可欠なものに利用されています。

人が暮らしていくために、なくてはならないものづくりに携われるため、自分の仕事に社会的な使命感を持って働ける魅力があります

また、自分がかかわったものが多くの人に使われることを実感できるため、やりがいも大きいです。

スケールが大きく、自分の仕事が長く残される

鉄鋼製品は、橋や道路などの構造物やビルなどの建築物に使われるため、規模が大きく、スケールの大きな仕事に携われる魅力があります

また、それらは、巨大なものでもあるため、出来上がった後に「自分の仕事でこれだけ大きなものを造ったのだ」という実感を持てる点も醍醐味(だいごみ)と言えるでしょう。

加えて、構造物や建築物は長く残されることも多いため、自分の仕事を地図や歴史に残すことができる喜びも味わえます。

日本のものづくり産業を支えるやりがいがある

鉄鋼製品は、さまざまな業界で使われるため、日本のものづくり産業を陰で支えていくやりがいも味わえます

「これが作りたい」「この産業に携わりたい」という自分のこだわりがない場合でも、多くの産業を下支えする喜びを感じられますし、一つの産業だけでなく、多様な産業にかかわっていける面白さも実感できるでしょう。

鉄鋼業界に向いている人とは?

鉄鋼業界に向いている人の特徴を解説します。文系・理系のそれぞれで向いている人の特徴も併せてご紹介します。

チームワークで働きたい人

鉄鋼業界の仕事では、さまざまな人とかかわります。社内の各部署に加え、加工メーカーや商社・販売会社など、仕事を進める中で登場人物が非常に多い仕事と言えます。

誰かと協力をすることが仕事の多くを占めているため、チームワークで物事を進めていくことが苦手な人や、個人で完結できるようなことに取り組むことが好きな人よりは、チームで何かをやり遂げる達成感や、人と団結して取り組むことにワクワクしたりする人には、非常に向いていると言えるでしょう。

食わず嫌いをしない人

鉄鋼業界では、ジョブローテーションでさまざまな仕事の経験を積ませ、人材を育成していくケースが非常に多いと言えます。

入社後に複数の職種を経験してから、どのような職種や領域を中心にキャリアを積んでいくのかを定め、そこからスペシャリストとなっていく傾向があります。そのため、「特定の領域でスキルを積んでいきたい」「研究だけに携わりたい」という人よりは、食わず嫌いをせず、多様な仕事を楽しめる人や、幅広い能力を身につけていきたい人には向いているでしょう。

また、自分のキャリアを定めず、経験を積みながら道を決めていきたい人にも向いています。

日本のものづくりを支えたい人

先にも述べた通り、鉄鋼業界はさまざまな業界のものづくり産業を支えています。そのため、顧客から「こういったものを作りたい」「そのために、こんな鉄鋼製品を作ってほしい」など、ものづくりへの熱い思いなどを直接聞ける機会が非常に多くあります。

顧客からの要望のハードルが高いこともありますが、その背景には「これまでにないチャレンジをしたい」「新しいものを生み出したい」などの思いがあります。そこに対してワクワクできたり、「一緒に実現できたらすごいことになる」などの面白さを感じられたりする人には、とても向いているでしょう。

このように、日本のものづくり産業のチャレンジを一緒に支えていきたいという思いがある人は、入社後も活躍する傾向があります。

海外で活躍したい人

大規模な鉄鋼メーカーなどの場合は、工場が海外にあることも多いため、物理的に海外で仕事ができる可能性が高い業界と言えます。海外で活躍したい人にとっては、チャンスがたくさんあるので向いているでしょう。

文系・理系、それぞれ向いている人とは?

文理にかかわらず、「数字を扱うことに抵抗がない」ということは、向いている人の特徴と言えるかもしれません。鉄鋼業界では、例えば、注文書を書く際にもグラム数に対する原価率を計算するなど、数字を扱う機会が多数あります。

また、理系職種の場合は、学生時代の研究内容よりも、「研究プロセスにおいてどのような思考・行動をしたのか」「誰とどのように協力し合ったのか」「どう壁を乗り越えたのか」などが重視される傾向があります。基本的にチームで仕事をすることが多く、また、顧客が難題となる要望を出してくることもあるため、そのとき、誰の手を借り、どう解決していくかという考え方や姿勢がとても重要になります。

多くの人と協力し合って課題解決に向かう人は鉄鋼業界に向いていると言えます。

鉄鋼業界の現状と課題

鉄鋼業界の現状と課題について解説します。

鉄鋼業界の現状

鉄鋼と非鉄金属(アルミニウム・銅)産業は、日本の製造業全体のGDPのうち、約1割を占めています。現在、鉄鋼・非鉄金属産業は、産業機械、自動車、情報通信機器など、日本における多様な産業の基盤となるものとされています。

世界鉄鋼協会(worldsteel)によれば、2023年の「世界の鉄鋼需要量」は18.2億トン、2024年は18.5億トンと予想されています。また、2022年の「日本の粗鋼生産量」は、8924万トンで世界第3位となっており、うち、鉄鋼輸出実績(全鉄鋼ベース)は3228万トンです。

鉄鋼業界のさまざまなメーカーは、グローバルに事業を展開しているために海外需要の比率も大きく、近年は、特に経済発展著しいアジア地域への輸出が増加しています。

日本の鉄鋼業界は、長年にわたって培われた高度な技術力があり、海外の鉄鋼メーカーでは生産が難しい「高級鋼材」に強みを持っています。

しかし、国際競争が激しくなる中、近年は中国などの鉄鋼メーカーが生産力を増強しており、中国メーカーが世界の粗鋼生産量の半分程度を占めるほどになっています。しかし、中国経済の成長率が鈍化し、国内需要が低迷したことから、中国メーカーは安価で鋼材を輸出し、日本の鉄鋼メーカーがその影響を受けている側面もあります。

国内では需給ギャップを解消するために、2015年ごろから工場休止などの措置をとる鉄鋼メーカーが相次ぎました。近年では、中国の鉄鋼の過剰生産と安値輸出によって、鉄鋼をめぐる米中の貿易摩擦が激しくなり、世界経済や鉄鋼需要への影響も懸念されています。

一方、新型コロナウイルス感染症の影響によって建設・製造業が低迷し、鉄鋼需要は減少したものの、2021年以降は需要の急回復を受けて、鉄鉱石などの原料価格が高騰している状況です。

鉄鋼業界は、世界経済の動きとそれに伴う海外需要に加え、海外から輸入する原料価格などに大きく影響を受けるため、世界情勢の動向と切り離せない業界と言えるでしょう。

鉄鋼業界の課題

鉄鋼業界が抱えている課題について解説します。

カーボンニュートラル(脱炭素)における技術革新

鉄はさまざまな産業に必要とされている一方、鉄鋼製品の生産は大量のCO2を排出します。そのため、経済成長と環境保全を両立するためには、鉄鋼業のカーボンニュートラル(脱炭素)目標の達成が不可欠とされています。

世界的に取り組みが進む中、すでに日本の鉄鋼業界は、世界最高水準のエネルギー効率を達成しています。世界鉄鋼協会の集計による「鉄鋼製品毎(ごと)の地域別CO2排出量比較」では、日本は大部分の製品で、世界平均や地域別平均よりも低いCO2排出量となっています。

省エネルギー設備の導入普及率はほぼ100%に達しており、排エネルギー(鉄鋼の製造を通じて生じるガスや熱など)の回収や有効活用も、世界でも特に高い状況です。

既存技術での省エネ・省CO2対策は徹底されているため、鉄鋼メーカー各社はさらなる対策に取り組み、製造過程で発生する二酸化炭素を分離して回収する水素還元技術の開発などが進められています。

今後も日本の鉄鋼業においては、温暖化対策のための革新的な技術開発が課題とされています。

海外競争力の強化

世界の鉄鋼需要は2050年に向けて、アジア諸国などの新興国を中心に引き続き増加する見込みです。また、中国の成長が頭打ちとなれば鉄の過剰供給に対応することが求められるため、今後は国際競争力をよりいっそう強化していくことが重要な課題となります。

これに対し、日本の鉄鋼メーカー各社は、効率化のための生産拠点集約や、M&Aによる設備の統合、国際的な提携・合併による海外での生産拠点設立などに取り組み、価格競争に対抗する手だてを取っています。

一方、日本の技術力の高さを生かして付加価値の高い製品にも取り組み、利益を上げる動きも活発になっています。

例えば、コンテナ船の大型化などにも対応する安全性・強度の高い「高アレスト鋼」や、自動車などに利用される高強度かつ加工性にも優れた「ハイテン鋼」、電気自動車のモーターなどに使われる「電磁鋼板」が挙げられます。

鉄鋼業界の将来性と動向

鉄鋼業界の将来性や最近の動向を紹介します。

鉄鋼業界の将来性

世界の鉄鋼需要量は、長期的に見ても拡大傾向が続く見通しです。また、経済のグリーン化が進む欧米では、環境に配慮し、環境負荷の少ない製品を優先的に調達することを奨励する「グリーン調達」の動きも見られています。

これにより、求められる鋼材の質が変化することが予想されています。日本の鉄鋼業界にとっては、世界でも最高水準の技術力・開発力を生かし、カーボンニュートラルに向かう世界の市場を獲得するチャンスと言えるでしょう。

その一方、日本や世界各国の環境関連規制や輸出入の基準が厳しくなることが予想され、国内外の顧客の要望の難易度も高まっています。鉄鋼メーカー各社は、新たな技術開発に取り組みながらも、黒字経営を続けていくためにさらなる生産体制や生産効率化を図ることが求められるでしょう。

近年、鉄鋼業界では、資本力や技術力を高めるための企業再編が加速しており、1970年代に6社あった高炉メーカーは、合併や経営統合を経て、現在3社となり、2022年には電炉メーカーの複数社の統合・合併も行われました。

また、業務効率化や生産性向上を目的とするDX(デジタルトランスフォーメーション)化も推進されています。さらに、鉄が使われる半導体の利用先として、医療機器の業界などにも販路を拡大し、幅広い業界に貢献していく取り組みも進められています。

鉄鋼業界の最近の動向

鉄鋼業界の最近の動向について、技術力を生かして開発された高付加価値製品をご紹介します。

高アレスト鋼

コンテナ船に使用される厚鋼が高アレスト鋼です。航行中の事故などによって、鋼材に亀裂が発生した場合において、亀裂の広がりを抑制して船体の損傷被害を最小限にとどめる性能「アレスト特性」を備えています。輸送力向上のためにメガコンテナ船など、船の大型化が進む中、船舶航行の安全性確保や事故による海洋汚染の被害の回避に貢献できるとして、期待されています。

ハイテン鋼

ハイテン鋼(高張力鋼)とは、強度が高くて軽い鋼材のことを指します。合金元素を加えることで性質を変化させ、 “引っ張り”に対する強さを持たせた上、溶接性や加工性、耐食性などについても優れた性能を実現し、幅広い領域で利用されています。一般の鋼板に比べ、薄くても十分な強度が得られるため、自動車の車体の軽量化に使われたり、橋梁(きょうりょう)や建築などにも利用されています。世界各国で研究されている合金鋼であり、その中でも日本の技術力は高く評価されています。

鉄鋼業界の志望動機の書き方とポイント【例文あり】

鉄鋼業界の志望動機の書き方やポイント、例文を紹介します。

構成

志望動機の構成は以下を参考にしましょう。

1:結論(志望した理由)
2:背景(根拠となるエピソード)
3:意気込み(入社後の活躍・貢献)

書き出しとなる結論では、鉄鋼業界や応募企業を志望した理由を端的に伝えましょう。背景では、根拠となるエピソードを具体的に伝え、説得力を持たせることが大事です。最後に、入社後にどのような活躍・貢献がしたいか、意気込みを伝えるとよいでしょう。

鉄鋼業界の志望動機の書き方のポイント

鉄鋼業界では、鉄を加工し、幅広い業界のものづくり企業に提供しています。社会インフラや生活に欠かせない製品を支えていく仕事なので、ベースとしては、ものづくりへの関心や思いがある人材を求める傾向があります。

そのため、ものづくりへの興味・関心を抱いた原体験をしっかりと伝えることがポイントです。また、チームワークで取り組む仕事が多いため、その経験を伝えることもアピールにつながるでしょう。

理系で技術職を目指す場合は、自分が専攻した分野が応募企業の仕事に直接的にかかわっているのであれば、伝えた方がよいでしょう。金属分野や機械工学の知識など、学んだことを生かせるならよりアピールできる可能性もあります。

鉄鋼業界の志望動機例文【文系・理系職種別】

文系職種の営業、理系職種の研究・開発について、それぞれの志望動機例文をご紹介します。

文系職種(営業)

社会の基盤を支えるさまざまなものづくり企業に直接製品を届け、多くの人々の生活を縁の下で支えていきたいと考え、志望いたしました。

幼少期からものづくりが好きで、ものづくり企業の開発秘話などに魅力を感じてきました。より多くのものづくりにかかわりたい思いから、鉄鋼製品を通じて直接支えていきたいと考えました。大学の野球部の活動ではレギュラーにはなれませんでしたが、チームの力を底上げするために個別練習計画の立案・実行に自ら取り組み、縁の下で支えることで勝利に貢献する喜びを感じました。貴社は国内だけでなく、海外シェアも高い上、独自の技術・開発力を生かして多様な企業の要望に応えているため、より幅広い企業に貢献し、社会に自分の力を役立てていくことができると考えています。

相手を理解する力を強みに、お客さまの要望に最大限に応え、成功に導くことに貢献していきたいと考えております。

理系職種(研究・開発)

多様な業界の製品に使われている鉄を通じて、世の中をより便利にしていく技術開発にチャレンジしたいと考え、貴社を志望いたしました。

大学で機械工学を専攻する中、鉄の可変性の高さに面白みを感じ、多様な製品に利用される鉄鋼に興味を抱きました。鉄の性質が持つ可能性や、○○などの新たな技術開発の取り組みは非常に面白く、かつ、さまざまな製品に使われるために社会的影響力が大きいと感じました。貴社を志望したのは、家電から飛行機まで幅広いものづくりを支えている上、自分が強く興味を抱いている○○の領域で高い技術力を持っていることに魅力を感じたためです。また、営業や生産などと連携し、難易度の高い要望に応える開発を手がけている点も、非常にやりがいがあると考えております。

機械工学で学んだ△△についての知識を生かし、新たな技術開発に挑戦し、社会をより便利にしていくことに貢献したいと考えております。

鉄鋼業界についてよくあるQ&A

鉄鋼業界を志望する人によくある疑問についてお答えします。

鉄鋼業界のランキング、どうやって調べればいい?

企業情報の詳細を掲載している『会社四季報』(東洋経済新報社刊行)や、業界地図として全体像の解説を掲載している各出版物などを参考にするとよいでしょう。また、金融機関のシンクタンクなどが公表している業界動向のレポートなどもWeb上で公表されています。業界に詳しくない人でもわかりやすいように書かれているものもあるので、検索してみましょう。

鉄鋼業界の年収はどのくらい?

鉄鋼メーカー各社の年収は前出の『会社四季報』などに掲載されているので、気になる企業を調べてみましょう。また、鉄鋼業界は歴史が長い企業が多く、終身雇用を前提としてきた中、従業員に向けた福利厚生などが充実しているケースが多く見られます。

鉄鋼業界の就職難易度は?

鉄鋼業界の新卒採用では、大量採用は行わずに採用人数を絞り、しっかりと育成していく方針の企業が多く見られます。採用人数が少ないため、就職難易度は高いと言えるかもしれません。鉄鋼業界では、学生時代に学んだことや専攻内容より、人物重視の選考を行う傾向もあります。自分なりに入社後の仕事をイメージし、ものづくりに対してどのような思いを持って働きたいのか、チームワークで発揮できる強みは何かを考え、しっかりとアピールすることが大事です。

鉄鋼業界の面接では、どんな逆質問をすればいい?

「影響力の大きな仕事がしたい」「ものづくり企業を支えたい」など、自分の志望動機にかかわる部分について、どのようなシーンでそれを実感できるのかを直接聞いてみるのもよいでしょう。また、ジョブローテーションや海外で活躍できる可能性など、キャリアにかかわることについて具体的に質問する方法もあります。どのように成長できるのか、どういった活躍ができるのか、そのためにどのような力が必要なのかを聞いてみれば、自分が働くイメージをより高められますし、成長意欲や向上心をアピールすることができます。

鉄鋼業界の企業研究や面接準備などを一人で進めるのが不安な場合は?

就職エージェントに相談してみることで、不安を払拭しやすいでしょう。リクナビ就職エージェントでは、プロのキャリアアドバイザーが無料で相談に乗ります。複雑な業界構造や職種、それぞれの企業についての情報なども教えてもらうことができます。また、応募書類の作成や面接準備などについても客観的なアドバイスを受けることができるので、自分の強みをよりアピールしやすくなるでしょう。

鉄鋼業界の自己PRで意識したいポイントは?

鉄鋼業界の仕事ではチームワークが前提となるので、チームワークに貢献できる強みなどをアピールするとよいでしょう。また、競争が激しい業界であり、各社が新たな技術開発や技術力の向上などで切磋琢磨(せっさたくま)を続けているため、向上心やチャレンジ精神などがある人材も評価につながる可能性があります。海外で事業展開をしている場合は、英語力も評価の一つにつながると言えますが、入社後にも身につけることができます。英語力をアピールする場合は、スキルレベルよりも、自ら継続して学び続けてきた背景や思いを伝えることがポイントでしょう。


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プロフィール
松木雄太(まつき・ゆうた)
新卒でリクルートへ入社以来、一貫してリクナビ就職エージェントのリクルーティングアドバイザーとして企業の新卒採用活動を多数支援。現在、同領域のチーフ職に従事。企業と募集職種の魅力を最大限にお伝えすることで、サービスをご利用いただく就活生の皆様が「働く」の解像度をあげて納得感のある就活体験を得られる。このような新卒採用支援を通じて、企業の事業成長をも支援できるように日々の業務に拘っている。

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