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掲載日:2011年3月29日

海外駐在員ライフ

Vol.89 日本よりも保守的!? スロバキアのビジネススタイル

会議で発言しない従業員たち

はじめまして。サボです。スロバキアで日系企業の現地子会社の社長を務めています。

100人を超える社員は、全員がスロバキア人です。公用語はスロバキア語ですが、社内でのコミュニケーションはすべて英語。仕入れ先はハンガリー人やオランダ人という構成ですが、やはり英語を使ってやりとりしています。顧客はすべてスロバキア人なので、私が直接話をする際は、通訳を介しています。株主とのやりとりもありますが、株主は親会社なので、主に日本語を使っています。

スロバキアのビジネススタイルは、昔の日本と似ているように思えます。今の日本のビジネススタイルと比べると、より保守的な印象があります。例えば、会議では現地役員が司会進行を務めますが、参加メンバーは、役員が発言しているのを聞くだけで、自分から発言しません。また、業績や経営方針などの重要な事柄も、一部の幹部の間だけで共有され、従業員には開示されていませんでした。

こうしたトップダウンのやり方には、旧社会主義国であることも影響しているのかもしれません。従業員の側にも「上司から指示されたことをやればいい」という考えが根強いように感じます。また、失言や失敗を恐れがちなことも、積極的な発言が生まれない一因かもしれません。

会議のやり方から会社を改革

実は私が赴任する前から、日本の本社では、海外の子会社に優秀な人材が育っていないことが問題視されていました。そこで私は、人材育成の第一歩として、どの従業員も担当領域のミーティングには必ず出席するように決めました。加えて、「ミーティングに参加する以上、参加者は何らかの発言をすること」と、発言を促しました。同時に、誰もその発言内容について責めたりしないこと、そして何らかの発言をすることによって、よりその課題についての思考が深まる効果があるのだということを伝え続けています。

最初は、こうした改革に対する抵抗も社内にありました。しかし、現状のままでは経営が下降線をたどり、経営の質が劣化してしまうことを繰り返し粘り強く伝えるように努めたところ、徐々に理解されているようです。今では、「この場では発言してもいいんだ」「自分はここで必要とされているんだ」「失敗しても責められずに済むんだ」という認識が浸透しつつあり、販売報告会や週ごとの状況報告ミーティングなどで積極的に発言する社員も少しずつ増えてきています。

次回は、引き続き、私が社内で試みている改革についてお話しします。

Reported by サボ
スロバキアにある日系企業の現地子会社の社長を務める。プライベートでは、テニス、ゴルフ、野球とアクティブに過ごす。特に野球は、日本人野球チームに所属し、シーズン中は車で片道1時間かけて毎週練習や試合に通うほど。社員や日本人駐在員との飲み会も楽しみのひとつ。
スロバキアは、1993年にチェコスロバキアから分離独立。首都ブラチスラヴァにはドナウ川が流れている。
ブラチスラヴァはコンパクトな街。「ブラチスラヴァ城」や「ミハエル門」などの観光名所が徒歩で回れる。
ブラチスラヴァ市内を走るトラム(路面電車)。
ここスロバキアでも寿司は人気メニューだ。
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構成/日笠由紀 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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