面接の「逆質問」は、企業を選ぶ上で気になることや知りたいことを聞く場。とはいえ最終面接での逆質問ともなると、あと一歩と思えばこそ「何を聞けばいいの?」「一次や二次面接との違いは?」と不安になりますよね。また、中には最終面接の中で自分の想いを伝えたいと考える人もいるでしょう。
一方、最終面接を行う企業側の担当者は、最終面接での逆質問を、どのように受け止めているのでしょう。逆質問によって評価を上げたり、下げたりすることはあるのでしょうか。そこで、最終面接の担当者に聞いた「実際に評価が上がった逆質問・下がった逆質問」についてのアンケート結果を紹介。後半では、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに逆質問を戦略的に使う方法を聞きました。最終面接を控えている学生は必見です!
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目次
最終面接を担当した社員・役員・経営者300人に直撃!最終面接で「評価が上がった・下がった」逆質問は?
今回「就職ジャーナル」では、最終面接の逆質問の実態を知るためのアンケートを実施。実際に最終面接を担当したことがある企業の社員・役員・経営者300人に聞きました。
最終面接で、学生から逆質問を受けたことがある人は8割強
●最終面接の場で、学生から逆質問を受けた、または何か質問はあるか聞いたことはありますか。(単一回答・n=300)
「大きく評価を上げた逆質問がある」のは約3割強。会社を知りたい熱意が好印象
●最終面接で、結果的に面接の評価を大きく上げることにつながった学生からの逆質問はありますか。(単一回答、n=247)
●それはどんな逆質問で、なぜ評価を上げたのですか。(自由回答)
- 企業理念から導いた自分のワークプランを言ってきた。自己分析が非常になされていると感じた。(レジャー・アミューズメント/一般社員/従業員3000人以上)
- 学生なりの業界や経済の分析に基づき、業界の将来について質問をしてきた。よく勉強していること、視座が高く、視野が広いことが評価できた。(インターネット/課長クラス/従業員100人以上500人未満)
- 学生から当社の理念に対しての内容と、理念が業務へどのような影響を及ぼすかについての質問を受けた。当社へのただならぬ興味と入社意欲を感じた。(銀行/事業本部長・部長クラス/従業員3000人以上)
- 学生なりに弊社の課題を分析し、その対応案を提示してきた。入社して取り組みたいことを明確に持っていると感じた。(化粧品/係長・主任クラス/従業員50人以上100人未満)
- 給料を上げるためには何をすればいいのか?そのための自分に求められる努力の方向性を今挙げることはできるか?と聞かれた。シンプルに仕事は給料のためと、はっきり言ってくる人はたまにいるが、自分の努力の方向性を先に聞いてきた上、最後にその方向性が自分の長所に合っていると自己アピールを重ねてきたため。(陸運/係長・主任クラス/従業員50人未満)
最終面接の逆質問で評価を大きく上げた経験のある人は3割を超える結果に。特に、会社や仕事をより知りたいという意欲を感じる質問が好印象だったようです。
3割が「大きく評価を下げた逆質問がある」と回答。待遇にこだわるとNG?
●最終面接で、結果的に面接の評価を大きく下げることにつながった学生からの逆質問はありますか。(単一回答、n=247)
●それはどんな逆質問で、なぜ評価を下げたのですか。(自由回答)
- 会社説明会やそれまでの選考で説明してきた内容を質問してきた。今までの選考を真剣に受けていないと感じた。(総合商社/事業本部長・部長クラス/従業員100人以上500人未満)
- 事前に調べればわかることを聞かれた。準備不足に感じた。(教育/専務取締役・常務取締役・役員・取締役クラス/従業員500人以上1000人未満)
- 給料はどのぐらいのペースで上がるかを聞かれた。具体的な内容項目がなく、お金の上がり下がりについて聞かれたため評価が下がった。(教育/顧問・監査役クラス/従業員500人以上1000人未満)
- 福利厚生や休みの取り方について聞かれた。仕事内容より休みのことを考えていることがわかった。(医療/課長クラス/従業員1000人以上3000人未満)
逆質問で評価が下がるケースも3割と一定数あることが判明。特に給与や休日などの福利厚生にこだわりすぎる質問は、あまりいい印象を持たれない傾向があるようです。
「評価が上がる逆質問」「評価が下がる逆質問」の違いとは
今回の企業アンケートでわかるように、最終面接の逆質問では企業の評価が一気に上がるケースもあるようです。
逆質問は、自分が聞きたいことを聞くのが基本です。ただ、逆質問は面接の中で唯一、企業ではなく学生が主導できるチャンスとも言えます。もし逆質問をアピールチャンスとして使いたいのであれば、しっかり準備して臨みましょう。最終面接の逆質問を企業へのアピールにつなげたい人向けに、ポイントを学生からの直接相談を受けているキャリアアドバイザーに聞きました。
なるべく「仮説」を持った逆質問を準備しよう
お伝えした通り逆質問は、聞きたいことを聞くのが基本ということを押さえておきましょう。また、逆質問ですべてが決まるわけではないということも忘れずに。その上で、評価を上げやすい質問について紹介します。ポイントは「仮説」を持って質問することです。例えば、次の3つのような逆質問です。
1.「役員目線」に立った逆質問
最終面接は役員や事業責任者クラスの方が対応することが多いので、そうした視座を持つ人に聞くべき質問をすること。例えば「御社は〇〇という理念を描かれていますが、〇年以降はどうサービスに反映させていきますか?」など、事業の方向性やビジョンに言及すると「業界や会社をよく研究している」という印象を持ってもらえるでしょう。
2.「自分が入社したら」で始まる逆質問
最終面接ではその企業への志望度が重視されるので、自分が入社することを見据えての逆質問で熱意を示すのも◎。例えば「御社に入社した場合、卒業までに準備できることを教えてください」「オススメの資格は?」など。入社を現実的に捉えた質問は意欲として相手に伝わります。
3.「自分はこう考えますが」という自分なりの仮説を持った逆質問
企業をよく研究し、それを前提にした「仮説」を持って質問をすることは、志望度の高さや理論的な思考能力のアピールになります。調べるべきは、(1)理念と今後力を入れていくこと、(2)企業の強み、(3)印象に残る商品・サービス、(4)活躍しそうな人の特徴、(5)その業界の解決すべき問題など。
その上で「このサービスは[(1)理念と今後力を入れていくこと]を目指したものだと思うのですが、いかがでしょうか?」「今後の事業では[(4)活躍しそうな人の特徴]の資質や能力が求められると思うのですが、どうお考えですか?」という感じで質問してみましょう。
「仕事への関心が薄い」と感じさせてしまう逆質問には注意
次に、評価を下げるおそれのある逆質問についてです。主に3つあります。
1.ホームページを見ればわかる逆質問
「御社の理念は何ですか?」「今後の方向性は?」といった質問は企業の資料やホームページを見ればすぐにわかることですから、「準備が足りないのでは?」というネガティブな印象を与えてしまいます。あらかじめ理念や方向性などを知った上で、自分の考えを加えて質問をするようにしましょう。
2.どの企業でも通用する使い回しの逆質問
「御社のキャリアパスについて教えてください」など、どの企業にも使えるテンプレ質問は評価アップにつながらない可能性もあります。複数の企業に同じ質問をするとしても、「御社のこの事業に携わりたいのですが」と述べた上で「キャリアパスはどうなりますか?」と聞けば、この会社で成長したいという意志が伝わります。
3.給与、福利厚生、昇格など、待遇にこだわりすぎる逆質問
給与や休日・休暇などの待遇や、離職率などからわかる「働きやすさ」は、就活においても大切なポイント。でも自己中心的な聞き方では「働く気があるの?」「仕事への興味が薄い?」という印象を与えてしまいます。
聞きたいときは「働くイメージを持ちたいので」「家庭を持っても働き続けたいので」といった、質問の意図を枕ことばにするといいでしょう。あくまでも会社に貢献したいというポジティブなスタンスを忘れずに!
一次・二次面接と、最終面接の逆質問の違いって何?
ところで逆質問は最終面接だけでなく、一次・二次面接においても促されることがあります。それぞれの面接の逆質問に、違いはあるのでしょうか?
一次・二次面接での逆質問
現場の社員の方と面接する際には、仕事内容や社風、キャリアパスなどのリアルな話を聞くのがオススメ。そうすることで、入社後の働き方を具体的にイメージできるでしょう。
最終面接(役員面接や社長面接など)での逆質問
役員や社長などには、経営戦略や事業の将来性について聞くといいでしょう。会社の海外戦略や、5年後、10年後の業界全体の在り方といった、長期的な視座に立った質問をしてみましょう。
なお、就活の面接では、段階ごとに面接担当者が替わっていくのが一般的。人事担当者との一次面接の後は、現場の社員やマネージャーによる二次面接、役員面接、最後は社長面接など、企業ごとにそのフローは異なります。面接をする担当者の立場によって語れる内容も変わってくるので、逆質問の内容も前述のように変えていくといいでしょう。
→一次・二次面接と最終面接の逆質問の違いについて、詳しくはリクナビ就活準備ガイド「【質問例あり】最終面接での逆質問は、どんな質問をすればいい?」をご覧ください。
なお、キャリアアドバイザーによると、「逆質問の多さ」が「志望動機の高さ」と受け取られるケースもあるとのこと。いくつも用意していったことで企業と話が弾み、その結果、評価が上がったケースもあるそうです。逆質問は選考の一部ですが、志望する企業をより深く知る機会でもあります。事前準備をしっかりして、積極的に質問してみましょう。
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【調査概要】
調査期間:2024年2月1 日~2月5日
調査サンプル:過去5年以内に新卒採用の最終面接に携わったことがある担当者300人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング