資格がないと就活で不利?取りやすい穴場資格は?ESを書く前に知りたい就活と資格Q&A

就活に臨んでエントリーシート(ES)を書くとき、多くの就活生が悩むのが資格の欄。「どんな資格なら書いていいんだろう」「書くことがない…。空欄でもいいのかなあ」と頭を抱えることってありますよね。そこで今回は、就活と資格に関する疑問をキャリアアドバイザーに徹底的に質問。後半では資格コンサルタントに狙い目の「穴場」資格について教えていただきました。

資格で就活が有利になるケースはほぼないが、自己PRのきっかけになることも

実際のところ、資格が採用の決め手になることはあるのでしょうか?また、資格を自己PRに利用することはできるのでしょうか?リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー(CA)・島津綸子さんに聞いてみました。

プロフィール島津綸子リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー。主に文系学生を担当。就職活動に悩んでいる学生と日々個別に面談を行い、その人の希望や適性に合う求人情報を紹介しながら、数多くの学生の就職活動を支援している。「個性」を生かして働けるように、一人ひとりの学生と徹底的に向き合うことにこだわりを持つ。趣味は料理。好きな球団は広島カープ。
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「資格がないと不利」というわけではない

CA島津 私はCAとして多くの企業からお話を伺ってきましたが、資格が採用に直接影響したケースはほぼありません。基本的に新卒採用は人柄やポテンシャルを見るものですから、よほど専門性の高いものでもない限り企業側は重視しないようです。就活を有利に進められる資格というものはありませんので、持っていない人も安心してくださいね!

でも就活において資格に意味がないわけではありません。例えば海外営業やプログラマーなど一部の職種では、現時点の語学力やプログラミングスキルを重視する企業もあります。ですから志望する業界や職種により、必須な資格がある場合には取得しておいた方が良いでしょう。

資格は自分の興味・関心を伝えるきっかけになる

それ以外の一般的な企業の選考では、ESに資格を書くことで自分の興味・関心や価値観を伝えたり、業界や仕事への興味を表したりすることができます。例えば大学の専門とは違う分野の資格を持っていると、「この人はなぜこの資格を取ったのだろう」と採用担当者が興味を持つことも。また、時々驚くほど資格をたくさん持っていて、ESの欄が埋まるほどびっしり書き込む方もいます。これも「目標に向かって頑張れる」「独学が得意である」といった長所のアピールになります。

このように、資格は間接的な形で自己PRのきっかけをつくることもできます。その機会を生かすためには、なぜこの資格を取ろうと考えたのか、そのためにどんな勉強をしたのかなど、あらかじめ自分の中で整理して、きちんと言語化できるようにしておきましょう。

就活の資格イメージ

TOEIC(R)は何点以上ならOK?資格欄は空欄でもいい?…など、キャリアアドバイザーに聞く資格Q&A

では具体的に就活ではどんな資格をアピールすべきでしょうか?ESに書き込むときに迷うあれこれを、CAの島津さんに一問一答で答えてもらいました。

Q:TOEICの点数は、何点以上ならESに書いていい?

A:一概には言えませんが、一般的な企業なら550点以上あれば大丈夫

今は普通の英語力でも、勉強すれば上達する余地があると見られる場合が多いです。ただ、外資系やグローバル系企業では就活生全体の語学の水準が高いので、550点ではやや見劣りするかもしれません。また取得してから年数がたっている場合は今のスキルと相違があるので、試験を受け直すことをオススメします。

Q: 誰でも持っている資格や、比較的簡単な資格も書いた方がいい?

A:「目標に向かって頑張れる」などの自己PRにつなげたいのであれば書いた方が良いでしょう。

「普通自動車免許」は入社までの取得が必須な企業もあるので、持っていたら必ず書きましょう。「簿記3級」のように商学部の学生が多く取るものや、本を一冊読めば取れる簡単な資格もぜひ書いてください。

Q:趣味系の、少し変わった民間資格でもOK?

A:OKです。

「温泉ソムリエ」「夜景鑑賞士検定」などユニークな資格がたくさんありますが、そうしたものは自分の興味・関心を相手に伝えるもの。面接でも触れられることが多く、自己PRのきっかけにもなるので、ぜひ記入しておくと良いでしょう。

Q:書くとかえって不利になる資格はある?

A:特にありません

ただし、不利というわけではないですが、例えば弁護士や教員の資格がありながら一般企業を目指す場合は、理由を聞かれることがあります。それを志望動機につなげてアピールできれば強みになりますが、中には「あまり聞かれたくない」と相談を受けるケースもあります。ESの記述はあくまでも本人による開示なので、触れたくない資格は無理に書かなくて大丈夫です。

Q:資格が1つもないのですが、空欄で大丈夫?

A:はい、空欄のままで問題ありません

趣味や特技欄と違い、資格は意欲が高ければ書けるというものではないので、空欄で評価が下がることもありません。逆に持っていない資格は決して書かないように!

「資格のプロ」が伝授!取得しやすいオススメ資格&思わず目を引くオモシロ資格

資格は合否に影響しないと聞いて安心したものの、やっぱりESを埋められる資格が欲しい!…。

そんな人のために、自ら610以上の資格を独学で取得してきた「資格のプロ」鈴木秀明さんに、比較的取得しやすく、今からでも間に合う就活オススメ資格を教えてもらいました。

鈴木秀明氏プロフィール画像プロフィール 鈴木秀明(すずき・ひであき)さん資格コンサルタント。総合情報サイトAll About 「資格」ガイド。年間80個ペースで資格・検定試験を受け続ける資格のプロ。2019年3月時点で610個以上の資格をすべて独学で取得している。雑誌・テレビ・ラジオなどのメディア出演実績は250件超。テレビ番組では『笑っていいとも!』『アウト×デラックス』などに出演実績あり。

著書に『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』『10年後に生き残る最強の勉強術』『資格マエストロがこっそり実践する 驚異の「合格」勉強術』など。最新刊『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』も好評。

(以下、鈴木さん)当然と言えば当然ですが、就活で一番のオススメ資格とは、自分が志望する業界で必要とされる資格。でも価値の高い専門的な資格ほど、難易度も高くなります。

就活前に急いで何か取得したいのなら、ビジネスの場でオールマイティーに通用する資格や、業務に関連する周辺資格などを選び、志望度のアピールに使うことを考えるといいでしょう。

ただ資格の中には年に1、2回しか試験が実施されないものも多く、就活開始直前では間に合わない場合も。就活のために取りたい資格があるのなら、極力早いうちに試験日や申込期間のスケジュールを調べることから始めましょう。

鈴木秀明氏インタビューカット1

では、王道系資格からキャラ立ちするオモシロ資格まで、4つに分けて資格を紹介します。

その1. どの企業でもそれなりに評価される「王道系資格」

社会人としてのベースとなり、また知名度も高いため、どの企業に行ってもある程度評価される汎用的な資格。いずれもきちんとした対策は必要ですが、難易度はそれほど高くないのでオススメです。

●マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

Word、Excel(R)、PowerPoint(R)などマイクロソフト オフィス製品の利用スキルを証明する資格。
受験料 : 一科目8424円(MOS2013、MOS2016一般レベル 学割)
試験頻度: 全国一斉試験月1〜2回のほか、随時試験あり

●TOEIC(R)Listening & Reading Test

Listening(聞く)・Reading(読む)という2つの英語力を測定するテスト。学生から社会人まで幅広く受験しており、キャリアアップ・海外赴任・就職活動などの場で使われている。
受験料 : 5725円
試験頻度: 年10回

●日商簿記検定 3級

日本商工会議所・各地商工会議所が開催する試験。3級は基本的な商業簿記、経理関連書類の処理など、初歩的な実務知識があることの証明として使われる。
受験料 : 2800円
試験頻度: 6月、11月、2月の年3回

●秘書技能検定 3級

文部科学省が後援するビジネス系検定の1つ。職場におけるビジネスマナーや一般常識を体系的に学ぶことができる。
受験料 : 2800円
試験頻度: 6月、11月、2月の年3回

4つめの「秘書技能検定」は、資格そのものが高評価というよりは、身につく内容が有用だという意味でご紹介しました。男女を問わず勉強しておけば、一定レベルのビジネス基礎は身についていると見なされる可能性が高いです。

その2. 業界への興味をアピールできる?「食品・旅行業界のオススメ資格」

業務上必要な資格の特性は業界によって異なります。例えば金融や商社、貿易業界などの資格は難易度が高く、単に就活目的で取得するのは厳しいかもしれません。

一方、食品や旅行業界などのようにさまざまな周辺資格がある業界では、それらを取ることでも業界への志望度を示すことができます

たとえば「和食検定」や「全国観光特産士検定」などは若干知名度に欠けるかもしれせん。でも、「この業界を志望するに当たり、外国人旅行者の増加に備えて和食知識を身につけたいと思った」「旅行の知識に加えて特産やお土産の知識を身につけ、それを生かしたいと考えた」といったアピールにはつなげられるかと思います。

<食品業界編>

●和食検定 初級レベル

日本の食文化についての専門知識・実務知識を測るための筆記試験。
受験料 : 4000円
試験頻度: 10月、2月の年2回

●カラーコーディネーター検定試験(R) 3級

東京商工会議所が主催する、色彩にかかわる知識や技能を証明する検定。
受験料 : 5250円
試験頻度: 6月、12月の年2回

<旅行業界編>

●世界遺産検定 4級

2006年に始まった、世界遺産に関する検定。NPO法人 世界遺産アカデミーが主催し、現在は文部科学省の後援事業となっている。
受験料 : 3000円
試験頻度: 7月、9月、12月、2月の年4回

●全国観光特産士検定 4級

全国各地の特産・名産品、郷土料理、伝統工芸品、民芸品など、観光にかかわる周辺知識を得ることができる。
受験料 : 学生 3240円
試験頻度: 6月、11月の年2回

なお、「カラーコーディネーター検定試験」の色彩スキルは、デザイナーなどの職業だけでなく、食品業界など多くのものづくりの場で役立つもの。もし興味があれば取得してみると良いでしょう。

ご紹介した資格以外にも業界別で志望度をアピールできる資格は多くあります。「(業界名)+資格」などのフレーズでインターネット検索してみると良いでしょう。

その3. 志望するならぜひ取りたい「企業が主催・協賛する資格」

民間資格の中には次に挙げた3つのように、企業が主催するものや協賛するものがあります。もし自分の目指す企業がかかわっている資格があったら、それは狙い目。ぜひ取得して、面接での本気度アピールにつなげましょう。

●お好み焼き検定 初級

日清製粉株式会社、ブルドックソース株式会社などが協賛する資格。「楽しみながらお好み焼きのことが学べて、家庭でおいしいお好み焼きが焼けるノウハウも取得」できる検定。
受験料 : 3250円
試験頻度: 11月の年1回

●日本さかな検定(愛称:ととけん) 3級

日本の魚食文化を学ぶことができる検定。特別協賛企業は株式会社極洋、マルハニチロ株式会社。海産物居酒屋さくら水産(株式会社テラケン)、ダイワ(グローブライド株式会社)も協賛。応援団員にはさかなクンも。
受験料 : 学生3200円
試験頻度: 6月の年1回

●チョコレート検定 初級

明治グループ100周年記念として2016年より実施されている検定で、チョコレートに関する知識を深められる検定。なんと各級成績上位5名はミルクチョコレート1年分がもらえるという特典付き。
受験料 :5200円
試験頻度: 9月の年1回

その4. 番外編・「アクセント」や「キャラ立ち」にオススメの資格

珍しい資格やキャラ立ちするような資格は、大勢のエントリー学生の中から際立つものを見せるツールになり得ます。例えば「潜水士」資格は筆記試験のみで取得できるものですが、「何これ、潜れるの?」といった反応から会話を広げ、会社の事業とうまく絡めることができれば、独自色が出せることでしょう。「何がその会社に刺さるか」を考えれば、資格はフックやアクセントとして有効に使えます。

●潜水士

公益財団法人安全衛生技術試験協会が主催。海(水)中などでの作業に関する知識を問う試験で、合格すると都道府県労働局長から潜水士の免許を付与される。国家資格の1つ。
受験料 : 6800円
試験頻度: 会場により年4回〜6回

●野球知識検定 6級

日本はもとより、アメリカなど諸外国のプロ野球や国際大会、小学校から社会人野球まで、野球に関するあらゆる知識を網羅する検定。検定終了後には元プロ野球選手と触れ合えるイベントも。
受験料 : 4000円
試験頻度: 6月、12月の年2回

●アロマテラピー検定 2級

精油の使用法、香りが心身に与える影響のメカニズムなど、香りのプロフェッショナルを目指す検定。美容や心身の健康にも役立てることができる。
受験料 : 6480円
試験頻度: 5月、12月の年2回

資格はESを埋めるだけではなく、自己分析や業界研究に役立つ

就活のための資格取得は「ESに書ければOK」というスタンスで臨む人が多いかもしれません。でも実は、志望業界の資格の勉強は「入社したらこんな仕事をするんだ」「こういうスキルが要るんだな」という深い業界研究につながります。

さらに、自分が業界をうわべでしか見ていなかったことや、やっていて楽しいと思う仕事はこれかな?と気づきも多く、有意義な自己分析にもなります。

最終的に資格取得までいければベストですが、勉強をかじるだけでも副次的な効果は意外に大きい。ですから、就活で資格の勉強をすることはとてもオススメなのです。

資格を取るための勉強は、短期集中で行おう

「この資格を取得しよう」と決めたら、オススメは「7日間勉強法」。

勉強期間は長いほどいいわけではなく、1カ月ダラダラと続けるよりも試験直前の7日間に集中して勉強する方が、試験日まで頭に残っている可能性が高いし、直前期の切迫感によりパフォーマンスも上がります。私の経験では、多くの資格の試験対策は、戦略的・集中的にやれば7日もあればなんとかなります。

特に就活期間はやるべきことが多いので、勉強は短期間でスパッと終わらせて、空いた時間をほかの有意義なことに使うべきです。ぜひ短期集中でチャレンジしてください。

 

取材・文/鈴木恵美子
撮影/鈴木慶子

※本記事でご紹介した資格の価格はすべて掲載時点での税込み価格です。また、試験頻度は掲載時点のものです。


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