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掲載日:2012年2月24日

ハイパー学生

なんとなく学生生活が過ぎている、毎日を充実させたい、将来の自分がイメージできない―そんなふうに思っていませんか?
一方で、起業、留学、ボランティア…などグローバルや社会に目を向け、視野を広げて活動しているハイパー学生もたくさんいます。彼らが感じていることは? 変わったきっかけは? 一歩先行く学生の視点から、学生生活をワンランクアップするヒントを探そう。

Vol.10 縄跳びの普及活動に力を入れるギネス世界記録保持者

むらお・まみ●1988年大阪府生まれ。筑波大学入学後、本格的に縄跳びを始める。2009年全日本ロープスキッピング選手権大会では、初出場ながら「3分スピード」種目で3位入賞。同年のアジアロープスキッピング選手権大会では女子の部で総合2位となる。その後も2010年全日本選手権総合3位、2011年アジア選手権大会団体戦3位、チームフリー3位など、世界を舞台に活躍中。女性として世界で初めて5重跳びを成功させたほか、30秒間に何回お尻で縄跳びを跳べるかを競う「モーストバムスキップ」は70回のギネス世界記録を持つ。そのほか、「まみちゃん」という芸名でテレビや雑誌など各種メディアで活躍するほか、NPO法人アクティブつくばに所属し「まっちゃんの縄跳び教室」の運営にも携わる。所属事務所:超人プロ http://chojinpro.co.jp

村尾さんが運営に携わる「まっちゃんの縄跳び教室」では、体育の授業や親子学級の時間などを借りて縄跳びの楽しさを教えている。

「練習すれば必ずできるようになる」のが縄跳びの魅力

大学1年の冬に、友達が「大学の入試説明会の時に縄跳びのパフォーマンスをしている先輩がいた」と話してくれたんです。そんな面白そうな先輩がいるのかとネットで調べて動画を見たところ、「この縄跳び、自分にもできそうだ」と思ってしまって(笑)。その先輩というのが、今は「シルク・ドゥ・ソレイユ」で活躍する、当時から世界でも有名だった「まっちゃん」(粕尾将一)です。すぐに「私も縄跳びに興味があるので、一緒にやりたい」と連絡しました。

もちろん最初は技も何もわからないので、先輩がやっているのを見て盗むという感じです。「こんな跳び方があるよ」というのをやってもらって、あとは勝手に見て盗む。「もう一回やって!」とお願いしたり、少しできるようになったら逆に見てもらって、アドバイスをもらったり。あとは、先輩の縄跳び仲間がたくさんいて、小学生なのに私よりも縄歴が長い子とかもいたので、その子たちに教えてもらったりしましたね。「その技、何? もう一回やって!」とお願いして。年の差なんて関係ありません(笑)。最初にできるようになった技は、難易度が高い3重跳びの一種の「TJ」というものでした。見た目が派手でかっこいいので、「絶対にこれをやる!」と決めて、無謀にも挑戦したんです。猛練習の結果、1カ月でできるようになり、周りに驚かれましたね。

初めて大会に出たのは、縄跳びを始めて1年半くらいです。縄跳びの大会は、個人戦だと「30秒スピード(30秒間で何回跳べるか)」「3分スピード(3分間で何回跳べるか)」「3重跳び(3重跳びが連続で何回できるか)」「フリースタイル(自由演技の技術点&構成点を競う)」の4種目があります。自分でも驚いたのですが、いきなり全日本選手権の「3分スピード」種目で、男性に交じって3位になっちゃったんです。しかも、その後に出たアジア選手権では、女子の部で総合2位。自分でも、「最初からこんなのでいいのかな…?」と少し戸惑いましたね。

とはいえ、実はアジア大会の前に、先輩と「アベック優勝しよう」と約束をしていたんです。先輩は優勝したのに、私は2位だったのが本当に申し訳なくて…。もちろん悔しかったので、それからはさらに猛練習です。「もっと頑張らないと」と、それまで苦手だった技にも必死で取り組みました。

縄跳びって、失敗するのがわかりますよね。引っかかるので。そこが面白いところだと思います。負けず嫌いだから、失敗するのが嫌でとにかく練習する。縄跳びは、練習すればするだけ上達するので夢中になれるし、楽しいんです。技を覚えたときの達成感はすごいものがありますし、「楽しいからやる」という純粋な気持ちで縄跳びをしていますね。

先輩がNPOで縄跳び教室をやっていたので、私もそのお手伝いをしているのですが、子どもに縄跳びを教えて、その子ができるようになるのがすごくうれしいんです。「私は教えることが好きなんだな」と気づいたのも、縄跳びを始めてから。人へのアドバイスがきっかけで、自分自身もできなかった技ができるようになったし、自分の得意技を友達と見せっこして、次に会うまでの宿題にしてお互いに技を教え合ったり。縄跳びを始めてから、いろんな楽しみ方があることを知りました。

実は私は、縄跳びを始めるまでは陸上で短距離走の選手だったんです。筑波大学の陸上部はとても強くて、私も一度入ったものの、推薦で入ってくるようなすごい選手ばかりの中で、「このままでいいのかな」と迷い始めていました。そんなときに出合ったのが縄跳びだったので、飛びついたのかもしれません。

母親に、陸上をやめて縄跳びをやることを話したときに、「小さいころは縄跳びが得意だったし、『縄跳びの大会があったら出たい』ってよく言っていたよね」と言われたんです。自分ではまったく覚えていないのですが(笑)、周りから見たら、私が縄跳びをやるのは自然なことだったようです。最初に出会った先輩がまっちゃんのようなスゴい人だったこともそうですが、偶然が重なって、自分は今、縄跳びをやっているんだなと。少し不思議な気持ちがしています。

縄跳びの楽しさを、日本中の人たちに知ってもらいたい

小学生のときは縄跳びの授業がありますが、中学や高校になると縄跳びに触れる機会そのものがありませんよね。そのまま縄跳びをしなくなる人がほとんど。しかも、学校では「2重跳びやはやぶさ(綾二重跳び)がたくさん跳べる人がスゴい」というような雰囲気があったと思います。でも、縄跳びの楽しみ方はほかにもたくさんあるんです。音楽に合わせて跳んだり、何人か集まっていろんなフォーメーションを作るだけでも楽しいし、大縄やダブルダッチといった技もあります。私がギネス記録を持っているモーストバムスキップ(お尻で跳ぶ縄跳び)もその一つ。跳べなくたって、リズムに合わせてポーズを作るだけでも楽しめる。学校でやった縄跳びだけが、縄跳びの魅力ではないということを、もっと多くの人に知ってもらいたいです。

NPOでやっている縄跳び教室も、まだ関東近郊でしか開催できていませんが、今後は日本全国に広げていけたらいいなと思っています。実際、関東以外では日本にまっちゃんのような世界に通用する縄跳びの選手がいることすら、ほとんど知られていません。だから、大学卒業後は引き続きNPOで働きながら、縄跳びを広めたり、もっと身近に感じてもらえるような機会をつくる仕事に携わっていきたいと考えています。今も、授業の合間をぬって月に10回くらいは縄跳び教室を開催しに行っているんです。いずれは実家のある関西にも、縄跳び教室を作れたらいいですね。

世界を見渡せば、縄跳びが強いアメリカやオーストラリア、ベルギー、香港といった国々は、しっかりとしたクラブチームが国内にいくつかあって、ちゃんとコーチがいて指導するような環境で縄跳びを練習している人たちがたくさんいます。それを考えると、選手として世界で1位になりたい気持ちもある一方、指導する側に回って、縄跳びの楽しさを伝えていくのもいいかな…とも思っているんです。

私にとっての縄跳びとは、「人とのコミュニケーションツール」。私が跳んでいるのを見て、興味を持って話しかけてくる子どもたちがたくさんいて、ちょっとでも教えてあげるとすごく喜んでくれます。縄跳びを始めてから、それまでには出会わなかったような、たくさんの人たちと知り合うチャンスが増えました。世界で活躍する一流の選手たちと交流したり、技を交換できたりするのは、縄跳びを始めたからです。今後も、縄跳びにかかわりながら、もっと多くの人に縄跳びの魅力を伝えていければいいなと思っています。

村尾さんに10の質問

Q1. 好きな異性のタイプは?

私自身が子どもっぽいところがあるので、やんちゃな感じで、何でも一緒に面白がれる人がいいです。

Q2. 座右の銘は?

「やってみないとわからない」。常にその気持ちで縄跳びを練習しています。子どもたちに縄跳びを教えているときも、「だからもう少し頑張ろうよ」ってよく言うんです。

Q3. 好きな食べ物は?

肉です。特に好きなのが鶏肉で、ホイル焼きにして食べるのがお気に入り。

Q4. 生まれ変わるなら何になりたい?

鳥になって、空を飛んでみたいです!

Q5. 100万円渡されたら何に使う?

海外旅行に使います。海外は縄跳びの大会で訪れた香港と韓国にしか行ったことがないので、できればヨーロッパを旅行してみたいです。

Q6. 今、一番会いたい人物は?

歌手のaikoに会いたい! 昔からファンなので。

Q7. 自分を動物に例えると?

気分屋でよくチョロチョロしているので、猫かなあ。よく友達からは「自由だね」って言われます(笑)。

Q8. 尊敬する人物は?

小学校4年の時の担任の先生です。しっかり私に向き合ってくれて、その後も連絡をとって当時の同級生で集まったりするんです。先日、先生の学校に縄跳びを教えに行ったのですが、「まさか自分の教え子が教えにくるとは」と喜んでくれました!

Q9. 一番の宝物は?

おばあちゃんにもらった手紙です。亡くなる少し前に送ってくれた手紙で、受験の時のお守りにもしたんです。

Q10. 趣味は?

ドライブ。そんなに遠出はしないのですが、練習の後によくドライブに行きます。お気に入りの場所は筑波山。たくさん星が見えて、気分転換にはもってこいなんです。
一日のスケジュール
ONの日

7:30

起床。シャワーを浴びて、軽く朝食を食べて、授業開始20分前に家を出る。

8:40

1限目の授業が開始。この日は「レジャースポーツのバイオメカニクス(生体力学)」という授業を受ける。

10:00

ゼミの教室に移動して、卒論制作に取りかかる。お昼になったら、ゼミの友達とランチを食べに出掛ける。

13:30

学校の近くにあるNPOの事務所に顔を出し、出張の予定を確認したり、教室の内容についてメンバーと打ち合わせ。

15:00

自宅に戻って縄跳びの練習。東日本大震災の影響で学校の体育館が毎日使えないので、家の前の空き地や駐車場の空きスペースで練習。

18:00

家に戻って、夕食の準備。食事の後はyoutubeで縄跳びの動画を見て研究したり、次の大会に向けて曲を探したり、曲の編集作業を行う。授業で宿題が出たら、この時間で片づける。

1:00

ダラダラ過ごして、眠くなったら就寝。
OFFの日

8:30

起床。急いで準備して、縄跳び教室を行う学校に向けて出発。

10:00

現地に到着後、簡単な打ち合わせ。この日は親子学級に呼ばれ、約2時間の縄跳び教室を開催。

13:00

移動中に昼食は済ませ、2件目の縄跳び教室。

15:30

教室が終わったら、自宅近くの小学校の体育館に移動して縄跳びの練習。室内なので、時間を気にせず集中して技の習得に取り組む。縄跳びは室内競技なので、体育館の床が一番跳びやすい。

20:00

帰宅。夕食を食べて、ダラダラ過ごす。疲れてそのまま寝てしまうことが多い。
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取材・文/志村江 撮影/刑部友康 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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