「どこにも就職できる気がしない…」「就職できないまま卒業することになったらどうしよう」など、就活がうまくいかない時期には不安や焦りを感じるものでしょう。
今回は、「就職できる気がしない」と感じてしまう原因と対処法について、「リクナビ就職エージェント」で就職支援のプロとして学生の相談に乗っているキャリアアドバイザーが解説します。新卒で就職できなかった人の割合や、よくある疑問や不安を解消するQ&Aも紹介するので、今後の就活に役立てていきましょう。
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目次
「就職できる気がしない」と不安になることはよくあるもの
就活を進める中では、「どうすればうまくいくのかわからない」「卒業までに就職先が決まらなかったらどうしよう」など、不安になることはよくあるものでしょう。
しかし、周囲の友人や就活を終えた先輩に話を聞いてみれば、多かれ少なかれ、みんな似たような不安を経験し、それを乗り越えてきているはずです。
就活の状況を好転させるためには、不安を乗り越える対処をしていくことが大事だと考えましょう。
就職しないまま卒業した人の割合は?
厚生労働省が2024年卒の学生に向けて行った就職状況の調査(※)によれば、卒業年の4月1日の時点で、大学生の就職率は98.1%(前年同期差+0.8ポイント)。同調査の開始以降、過去最高の就職率という結果になりました。
また、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)を含めた場合でも、就職率は98.0%に上っています。
「就職できる気がしない」と不安を抱く人もいるようですが、実際には、ほとんどの学生は新卒で就職できているようです。
(※)参考資料:「令和6年3月6年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」(厚生労働省)
「就職できる気がしない」と感じてしまう原因と対処法
ここでは、「就職できる気がしない」と感じてしまう人によくある原因と対処法を紹介します。自分に当てはまるものがないか探してみましょう。
そもそも就活の進め方がわからない
就活の進め方がわからず、漠然とした不安を抱いているケースは少なくないものです。また、どのような準備をすればいいのかわからない人もいるでしょう。
対処法
就活の一般的なスケジュールや、段階ごとにやるべきことを把握することが大事です。「いつ、何をすればいいのか」がわかるようになるため、不安を軽減しやすくなります。
スケジュールについては、以下の記事を参考にしてみましょう。また、「何から始めればいいのかわからない」という場合は、自己分析から始めることをおすすめします。
就職したいと思える業界・企業がわからない
就職したいと思える業界や企業、やりたい仕事などがわからないため、どこに応募すればいいのかわからず、不安を感じてしまうケースもあります。
対処法
応募企業を選ぶ際には、自分自身の「就活の軸」を定めることが重要です。自己分析をしっかりと行い、好きなことや興味を持てること、得意なことなどを深掘りしていきましょう。
その上で、自分が仕事や働く環境において大切にしたいことを考えてみることが大事です。そこに当てはまる業界・企業・職種にどのようなものがあるのかを探してみれば、応募したい企業が見つかりやすくなるでしょう。
書類選考に通過できない
エントリーシート(ES)など、応募書類の書き方がわからず、書類選考に苦戦して悩んでしまうケースもあります。
対処法
応募書類の基本的な書き方や、作成する際のポイント・コツ・注意点などを把握することで、よりアピールにつながる内容にできるでしょう。読みやすい簡潔な文章を意識し、誤字脱字などにも気をつけることが大事です。
応募書類にどのような内容を書けばいのかわからない場合は、自己分析をしっかりと行った上で、応募先の企業研究を行い、どのようなことをアピールすればいいのか考えてみましょう。
自分の思いや強みが伝わる応募書類を作成することで、書類選考の通過率を高めやすくなります。
面接への苦手意識がある
「面接で緊張してうまく話すことができない」「面接に落ち続けているけれど、どうすればいいのかわからない」など、面接選考に不安や苦手意識を感じてしまうケースもあります。
対処法
面接で緊張しないためには、模擬面接や実際の企業の面接を経験して場慣れすることが重要です。「最初から完璧にアピールできる人はいない」と考えることで、不安を軽減しやすくなります。
面接に落ち続けている場合、回答内容や話し方、身だしなみを見直すことで、選考通過率が上がる可能性があります。
また、応募企業の求める人物像と自分の強みや価値観が合わない場合も選考落ちの原因となるため、応募先の見直しも検討が必要です。
内定を得ることができない
書類選考や1次面接、2次面接は通過できているのに、最終面接で落ちてしまい、内々定や内定を得ることができないというケースもあります。
対処法
面接のフェーズによって、面接担当者のポジションが変わることはよくあるため、同じようなことを聞かれた場合でも、質問意図が変化している可能性があります。
1次面接は人事担当者や現場の若手社員、2次面接は現場の責任者、最終面接は役員などの経営層が担当することが多いので、質問意図の傾向を理解することで的確な回答がしやすくなるでしょう。
一方、自分のキャリアビジョンと、企業のキャリアパスが合致していないことで、ミスマッチを懸念されている可能性もあります。自分が将来なりたい姿をイメージした上で、それを実現できる企業を選択することも大事だと考えましょう。
また、志望動機で熱意を伝えることができていないために、「内々定や内定を出しても、他社を選択するかもしれない」と懸念されることもあります。その企業ならではの志望理由を明確にして説得力を高めていくことで、状況を好転させることができるかもしれません。
「就職できる気がしない」と感じる人にありがちな特徴と対処法
これまで多くの学生の相談を受けてきたキャリアアドバイザーの経験を基に、「就職できる気がしない」「就職できなかったらどうしよう」と感じてしまう人にありがちな2つの特徴と対処法を紹介します。
1:学生時代の経験や自分の強みに自信がない
就活では、「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」「自己PR」などを質問されることが多くありますが、自分の経験や強みなどに自信を持てないために、応募書類や面接でしっかりアピールできていないケースがよく見られます。
例えば、「勉強や研究に集中していたため、アルバイトやサークル活動などをあまり経験していない」「個人で取り組むことが多く、誰かと一緒に頑張ったエピソードが見つからない」「リーダーなどの責任ある立場を経験したことがない」などの場合、アピールできる要素がないと感じてしまいやすいようです。
対処法
再度、自己分析に取り組んでみましょう。企業は学生に対して特別な経験や力を求めているわけではないので、自分なりに頑張ったことを深掘りし、そこで経験したことや発揮した強みを掘り下げることが大事です。
また、自己分析が苦手な場合は、周囲の友人やゼミの仲間、家族などに聞いてみることもおすすめです。学校のキャリアセンターや就職支援のプロである就職エージェントに相談し、自己分析をサポートしてもらう方法もあります。
2:大手企業や人気企業ばかりに応募している
大手企業や人気企業の場合は、知名度が高いことから応募する学生も多いと言えます。そうした企業ばかりに応募して選考通過に苦戦するうちに、「就職できる気がしない」と思ってしまうケースも少なくはありません。
企業研究や業界・職種研究をきちんと行わず、企業のネームバリューや業界・職種のイメージのみに魅力を感じて応募している人に多い傾向と言えます。
こうした場合は、「志望動機に説得力がない」「業界や職種理解が足りず、ミスマッチにつながるかもしれない」という判断をされる可能性があります。
対処法
自分の就活の軸を基に、幅広い業界・企業・職種を見てみることが大事です。
例えば、業界研究では、消費者が企業から商品・サービスを購入する「BtoC(Business-to-Consumerの略)」のビジネスを手掛ける企業だけでなく、企業同士で取引を行う「BtoB(Business-to-Businessの略)」のビジネスを展開する企業などにも目を向けてみれば、それまで知らなかった魅力的な企業に出会えるかもしれません。
日ごろからニュースなどを見て興味を持てる企業を探したり、合同企業説明会など多くの企業が集まる場に参加したりすることで、新しい可能性を見つけやすくなるでしょう。
また、企業研究の際には、OB・OG訪問などを行い、実際に働く社会人に仕事のやりがいなどを聞いてみることもおすすめです。
気になる業界・企業・職種についてより詳しく知ることで、自分に合う企業や仕事が見つかりやすくなりますし、より説得力のある志望動機につなげることができるでしょう。
「就職できる気がしない」と思ったときに活用できる無料サービス
「自分1人では就職できる気がしない」と不安に思っている場合は、以下のサービスを活用する方法もあります。
新卒応援ハローワーク
ハローワークでは、学生の就活を支援する「新卒応援ハローワーク」を無料で展開しています。就活全般の相談からES作成、面接の指導など、さまざまな個別支援が受けられます。
セミナー開催もあるので、公式サイトをチェックしてみるといいでしょう。
就職エージェント
就職エージェントでも、就活相談からESの添削、面接準備まで、さまざまな面から学生の就活を支援しています。
例えばリクナビ就職エージェントでは、就活支援のプロの視点で、企業選びから選考の準備まで、役立つアドバイスを無料で行っています。
自分1人で進めていくことに不安がある人や、「就職できなかったらどうしよう」という焦りを感じている人は、まずは相談してみることをおすすめします。
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就職できる気がしない人によくあるQ&A
よくあるQ&Aを紹介するので、不安の解消に役立てましょう。
Q:インターンシップにまったく行っていない場合、就職は難しい?
A:インターンシップに参加していなくても内々定や内定を得る学生はたくさんいるので、「参加していない=就職が難しくなる」ということはないでしょう。
ただし、「インターンシップを通じて業界や仕事への理解が深まり、就活を進めやすくなった」という人も少なくはないので、参加できるものがあるならチャレンジしてみるとよいでしょう。
Q:文系で受かりやすい業界はある?
A:理系の場合は、専門的に学んだ知識を求めている業界・職種はありますが、文系の場合は特に業界による差分はないと言えるでしょう。
文理にかかわらず、人と接することが好きな場合は、コミュニケーション力が求められる職種などで評価されやすい可能性があります。また、「多くの人と良い関係を築く力」「周囲と助け合って進める力」「こまやかな気配りをして周りを気遣う力」などをアピールする場合は、チームワークを重視する企業などで評価されるかもしれません。
企業や職種によって評価されやすい力はそれぞれ違うものであり、自身が持つ力も人それぞれに違うと言えます。以下の記事も参考にしてみましょう。
Q:“内定をもらいやすい企業”は存在する?
A:“内定をもらいやすい企業”の条件については、人それぞれに違うと言えます。
企業が求めることに対し、マッチする素養や能力があった上で、それをしっかりとアピールできれば、内定をもらえる可能性が高まるかもしれません。しかし、選考の競争倍率そのものには募集人数と応募人数が関係してくるため、内定をもらいやすいかどうかについては、そうした部分も影響してくることが考えられます。
とはいえ、就活における本来のゴールは「自分が納得できる企業から内定を得ること」であり、内定をもらいやすい企業に入社しても後悔する可能性があります。内定のもらいやすさに左右されるより、自分に合う企業を判断することが大事だと考えましょう。
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エージェントだからこそできる求人情報の紹介、面接アドバイスやOpenESの添削なども行っています。
現在は、エントリーキャリア領域にて若年層の就・転職の支援に従事。